インディペンデント映画のD.C.P.上映研究
東北芸術工科大学学長、根岸吉太郎を代表とする研究グループは2013年度より4ヶ年、日本学術振興会からの科研費助成を受けて「デジタルシネマ時代の小規模映画の上映形式の研究」という研究プロジェクトを行っている。このたびの山形国際ドキュメンタリー映画祭におけるシンポジウムも、この研究プロジェクトの一環として行われる。
講演・シンポジウム インディペンデント映画のD.C.P.上映研究
デジタルシネマ時代を迎えた今日、インディペンデント映画や学生映画など小規模映画の作り手は、作家としてデジタル化の現在にいかに向かい合う必要があるのか。本シンポジウムでは、上映形態としてのDCP上映に焦点を当て、デジタル化の現状と問題点を検討しながら映像表現の新たな可能性を探る。
- 基調講演:クリス・フジワラ(映画批評家、プログラマー)
- 登壇者:
- ジュリアン・ロス(ロッテルダム国際映画祭・短編部門映画プログラマー)
ジャン・ユンカーマン(映画監督)
加藤孝信(カメラマン)
三浦和己(東京国立近代美術館フィルムセンター研究員) - 司会:村山匡一郎(映画研究者)
参考試写 D.C.P.上映研究参考試写
- 上映作品:『Good Year』(林海象監督、21分)ほか
やまがたと映画館
山形県最上町には昭和30(1955)年から10年間、向町劇場という映画館が存在した。館主の小林啓氏は、経営や映写を手がけるとともに、月に14、5枚ほどのペースで独自のガリ版チラシを発行していた。今年の映画祭では、これらのチラシを中心とした小林氏所蔵の映画資料の展示を行う。美麗なイラストと書体を持つ向町劇場のチラシは、当時を懐かしむ資料であるばかりではなく、映画の興行がどれほど我々の心を踊らせるイベントであったかを改めて思い出させるとともに、山形の映画文化の豊かさを雄弁に物語るだろう。