わたしのテレビジョン 青春編 |
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木村栄文
今年3月に逝去した木村栄文。1959年に福岡RKB毎日放送に入社、40年間に渡り数多くのドキュメンタリー番組を制作し、芸術祭賞などテレビ界の数々の賞を受賞。「賞とり男」としても知られ、他局を含めドキュメンタリー制作者たちに広く影響を与えた。水俣病、筑豊炭鉱、テキ屋、自身の娘にいたるまで、カメラを向ける対象は実に多様だが、常に強い作家性が刻まれた作品の魅力は、これからも決して色褪せることがないだろう。本特集では70年代の作品を中心に全10本を上映する。
以下の作品はすべてディレクター:木村栄文、 制作: RKB毎日放送株式会社
飛べやオガチ
Fly Ogachi- 日本/1970/日本語/モノクロ/ビデオ/57分
構成:井田敏 撮影:大江泰弘、井上謙治
編集:粟村皓司 音声:藤木大二郎
音楽:佐藤慶次郎、大場正男 琵琶:中村旭園
狂気にも似た情熱に突き動かされた「空への夢」、人力飛行機飛行記録に挑戦する男を描く。
苦海浄土
Pure Land, Poisoned Sea- 日本/1970/日本語/カラー、モノクロ/ビデオ/49分
作:石牟礼道子 撮影:木下淳介、大江泰広
編集:粟村皓司 音声:小野宏行、井上義信
音楽:佐藤慶次郎 出演:北林谷栄
語り:今福正雄、北林谷栄
プロデューサー:谷川清明、辻和子
石牟礼道子の同名著作をもとに、北林谷栄が盲目の放浪芸人「ごぜ」に扮して、公害に苦しむ水俣の地を巡っていく。
いまは冬
Darkness- 日本/1972/日本語/カラー、モノクロ/ビデオ/35分
構成:香月隆 撮影:木村光徳 編集:粟村皓司
音声:小野宏行 語り:中村靖
詩人、クリスチャン、そして「地の塩の箱基金運動」の主催者である江口榛一、彼の孤独な人間像を浮き彫りにする。
まっくら
Pitch-Black- 日本/1973/日本語/カラー、モノクロ/ビデオ/48分
構成:森崎和江 撮影:木村光徳、相本卓郎
美術:江口洸一 編集:粟村皓司
音声:小野宏行 照明:榊勲
出演:常田富士男、白石加代子、筑紫美主子、土井通肇
炭鉱閉山の続く筑豊を舞台に、坑夫とその家族の歴史が虚実入り交じった物語で展開されていく。
鉛の霧
Lead Fog- 日本/1974/日本語/カラー、モノクロ/ビデオ/41分
構成:香月隆 撮影:木村光徳 編集:芥川親雄
音声:小野宏行 ナレーター:杉山明男
鉛製造工場で発生した公害事件を背景に、再建へ向けて奮闘する工場主を長期間に渡って取材。
祭りばやしが聞こえる
I Can Hear Festival Music- 日本/1975/日本語/カラー/ビデオ/91分
撮影:木村光徳、相本卓郎 美術:堀田桂助
編集:粟村皓司 音声:藤木大二郎 作曲:福井峻
琵琶:中村旭園 ナレーター:上田暁子、水野雅央
プロデューサー:世良周三、谷川清明
祭りの裏に生きる露店商人、いわゆるテキヤの世界を、九州一円の大親分を主人公に鮮やかに描き出す。
あいラブ優ちゃん
I Love Yu-chan- 日本/1976/日本語/カラー、モノクロ/ビデオ/48分
協力スタッフ:粟村皓司、遠藤裕己、相本卓郎、木谷重勝、藤木大二郎、小野宏行、堀田桂助、古山和子
ナレーター:中村基樹 プロデューサー:世良周三
先天的に股関節と脳に障がいを持つ自身の長女にカメラを向け、1年間に渡って見つめた木村栄文流セルフドキュメンタリー。
記者ありき 六鼓・菊竹淳
The Journalist: Rokko/Kikutake Sunao- 日本/1977/日本語/モノクロ、カラー/ビデオ/86分
構成:鳥山拡 撮影:相本卓郎 美術:長岡盛雄
編集:粟村皓司 音声:藤木大二郎 技術:石橋行孝
照明:榊勲 出演:三國連太郎
プロデューサー:西島彦一郎、世良周三
福岡日日新聞の記者・菊竹淳について、三國連太郎による再現ドラマを交えながら、ジャーナリズムのあり方を問う。
鳳仙花 〜近く遥かな歌声〜
Bongseonhwa- 日本/1980/日本語、韓国語/カラー、モノクロ/ ビデオ/72分
撮影:木村光徳 編集:粟村皓司
音声:遠藤裕己 技術:石橋行孝
プロデューサー:西島彦一郎、大谷昭示
「鳳仙花」や「アリラン」など韓国の流行歌にスポットを当て、韓国・朝鮮の人々が歌い継いだ曲を通じて、日韓の近現代史を描く。
むかし男ありけり
A Portrait of the Author- 日本/1984/日本語、ポルトガル語/カラー、モノクロ/ビデオ/85分
構成:鳥山拡 撮影:木村光徳、相本卓郎
編集:粟村皓司 音声:藤木大二郎 技術:榊勲
AD:城内彰秀 出演:高倉健 ナレーター:白坂道子
プロデューサー:大谷昭示
作家・檀一雄が晩年を過ごしたポルトガルのサンタ・クルスを、高倉健が訪ね、その足跡を辿っていく。