ポスターデザイン
開催ポスターデザイン
YIDFF 2023 ポスターデザインは、東北芸術工科大学との連携のもと、グラフィックデザイン学科3年生60名の方々に取り組んでいただきました。審査の結果、福田真子(ふくだまこ)さんのデザインに決定しました。このデザインはポスターはもちろん、公式カタログなどにも使用されます。
【福田真子さんによるデザインコンセプト】ドキュメンタリー映画とは他の人の人生を客観的に見つめ直す時間だと捉えた。
ドキュメンタリー映画を見ると、映画の登場人物との価値観や倫理観の違いに気づき、それまでの価値観や倫理観と対峙し、理解、そして尊重しようとする。そこまでを含めてがドキュメンタリー映画だと考える。自分はどのように感じ、どのように理解するのか、ドキュメンタリー映画を見ることを通して、自分でも気づいていない自分を見つめ直すことができる。
そのことを踏まえ、「見つめる」をテーマとし、そのテーマを横顔に託した。幸せの象徴や好奇心を感じさせるような黄色をベースに、多くの人に他人事ではなく捉えてほしいという思いから、イラストレーションを用いたデザインを行った。また、目の部分にカメラレンズを思わせるものをコラージュした。解像度をあげて、より客観的に映画の登場人物を注視し、鑑賞者が映画と向き合う様子をあらわしている。
作品募集ポスターデザイン
YIDFF 2023 作品募集ポスターのデザインは、東北芸術工科大学との連携のもと、グラフィックデザイン学科3年生有志66名の方々に取り組んでいただきました。審査の結果、吉村多恵(よしむら たえ)さんのデザインに決定いたしました。
【吉村多恵さんによるデザインコンセプト】無限軌道の車輪を撮影しました。不整地でさえも力強く動く無限軌道。
操縦する人(作家)によって、車輪が動き、穴の向こう側に見えてくる景色は違ってきます。焦点をどこに当てるのか、ドキュメンタリーだからこその、作家が持つ「独自な視点」をコンセプトに制作しました。無限軌道の車輪についた汚れや錆は、様々な人が作業を行い蓄積したもの。この痕跡から人々の生活や時の流れが感じられます。この泥臭い事実が、それぞれのドキュメンタリーが持つ世界観に繋がっています。
緑のシルエットが暗闇を照らす月のように見えたり、車輪全体から今、まさに起きている戦争を想像したり、様々なスケール感で想像を膨らませて見てもらえればと思います。
古く崩れかかったものの向こうに見える、新しい世界。車輪をまわす。フィルムをまわす。世界をまわす。コロナや環境破壊、紛争、貧困など、世界が後ろめたい気持ちになっている今、少しでも前を向いていこうと思えるポスターになればと仕上げました。