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[日本]

標的の村

The Targeted Village

- 日本/2013/日本語、英語/カラー、モノクロ/Blu-ray/91分

監督:三上智恵
撮影:寺田俊樹、QAB報道部
編集:寺田俊樹、新垣康之
録音:木田洋 
音楽:上地正昭
エグゼクティブ・プロデューサー:賀数朝夫
プロデューサー:謝花尚 
制作、著作:琉球朝日放送
配給:東風

沖縄・高江。村を取り囲むように建設されようとするヘリパッド基地反対闘争のなかで、住民たちは通行妨害で国に訴えられてしまう。ヴェトナム戦争時代には、住民たちがヴェトナムの村人役としてゲリラ対策訓練に駆り出されていたという衝撃的な事実も明かされる。オスプレイ反対闘争では、普天間基地を完全封鎖したにもかかわらず、予定通りに機体が配備される。アメリカと日本、国家に対しての怒り、悲しみがストレートに伝わる。琉球朝日放送制作作品。



【監督のことば】沖縄のローカル放送局の作ったドキュメンタリーが、世界の並み居る作家の作品とともに上映される光栄にまずは感謝いたします。しかしその映像内容は、今すぐこれを全国の人に見てもらわないとどうにも立ちゆかない、だから持ってきました、という切羽詰まったもの。ますます日米の軍事植民地と化していく沖縄の現状を前に、喜んでいる余裕はありません。この国が、南の小さな島に押し込めてきた膿と、深い悲しみと怒り、嘆きが作品には詰め込まれています。しかしときに唄い、ときに踊りながら権力に対して突き抜けていく、沖縄県民の鈍角の闘い。抵抗の歴史が躍動感を持って脈々と受け継がれていることに、命の太さを見いだす瞬間もあります。

 舞台になる東村の高江は、観光客も来ない160人の小さな集落。アメリカ軍のゲリラ訓練場に囲まれ、迷彩服の兵士がひょっこり庭先に出てくるような場所です。そこに、オスプレイという死亡事故が多い輸送機の着陸帯を造ると聞き、住民は驚いて座りこみを始めます。すると国は住民を「通行妨害」により訴えました。当時7歳だった少女まで被告にされます。かつてヴェトナム戦争時代、訓練の標的としてヴェトナム人の役までさせられた高江の人々に、今は日本という国が裁判を仕掛けていく。現在舞台は最高裁に移り、一方でこれを書いている8月3日、オスプレイはさらに追加配備され、ついに逮捕者も出ました。ここに描かれた不条理はまさに現在進行中。ぜひスクリーンで目撃し、当事者になってください。


- 三上智恵

成城大学で沖縄民俗を専攻。アナウンサー職で大阪毎日放送に入社。1995年、琉球朝日放送の開局で両親の住む沖縄へ移住、第一声を担当。以来夕方ワイドニュースのメインキャスターを務めながら番組作りに奔走。沖縄民俗学の大学講師も務める。沖縄戦や基地問題、サンゴの移植やジュゴンの文化などのドキュメンタリーを制作。放送界で優れた功績をあげた女性に贈られる放送ウーマン賞2010を受賞。「海にすわる 〜辺野古600日の闘い〜」でギャラクシー賞テレビ部門選奨、「サンゴが消える日」でアース・ビジョン地球環境映像祭アース・ビジョン賞、「英霊か犬死か 〜沖縄から問う靖国裁判〜」で石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。テレビ放映された本作は、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞、座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル大賞を受賞。