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映画祭2003情報

アジア千波万波 審査員のご紹介


 アジア千波万波の30本の上映作品の中から、もっとも可能性のある映像作家に小川紳介賞を授与するアジア千波万波。今年の審査員には当映画祭には何度もご縁があるお二人、ドキュメンタリー作家であり韓国インディペンデント映画のドンとも言われるキム・ドンウォンさんと、劇映画やドキュメンタリーの監督として広く素晴らしい活躍を見せる河瀬直美さんをお迎えします。


キム・ドンウォン(韓国、監督)

1980年代、商業映画の助監督を経て、記録映画を撮り始める。1991年に記録映画集団、プルン映像を設立して以来、約30本のドキュメンタリーを製作、監督。特に、再開発などによって都市から締め出された人たちや民主化運動、南北分断問題に関する作品を多く発表。『上渓洞オリンピック』(1988)は、YIDFF '91で上映。YIDFF '99アジア千波万波スペシャル「つくる・見せる・変える〜日本・韓国のビデオアクティビズム」にも参加。韓国独立映画協会の前会長として、今年のアジア千波万波スペシャル「映画の多様性を保証する文化政策 KOFICとKIFV」で韓国映画の公的助成の状況について発表していただく予定。

作品上映:
送還日記
韓国/2003/韓国語/ビデオ/149分
1992年、監督は2人の思想犯と知り合う。2人はかつて北朝鮮の政治工作員(スパイ)として韓国に送られ、逮捕された後、30年間の獄中生活でも転向しない(共産主義の思想を変えない)まま出所したのだった。当時、身を寄せる所のない彼らが近くに住むことになり、スパイのイメージとあまりに違う彼らに関心を持った監督は、以降10年以上に渡り、彼らを取材し続けることになる。キム・デジュン政権になってから、戦争捕虜を中心に思想犯の北朝鮮への召還運動が高まる。拉致被害者の家族をはじめとする右翼団体が依然召還に強く反対する中、2000年に63人の非転向思想犯がピョンヤンに帰されるのだった。

河瀬直美(日本、監督)

YIDFF '95「アジア百花繚乱」(現 アジア千波万波)で上映された『につつまれて』(1992)がFIPRESCI賞特別賞を、『かたつもり』(1994)が奨励賞を受賞。『萌の朱雀』(1996)では、カンヌ 国際映画祭カメラド−ル(新人監督賞)史上最年少受賞を果たす。『杣人物語』はYIDFF '97にインターナショナル・コンペティションで上映。『火垂』『きゃからばあ』『沙羅双樹』など、ほとんどの作品が、国際映画祭で上映、受賞歴は多数にのぼり、日本を代表する映画監督のひとりと言える。

作品上映:
追臆のダンス
日本/2002/日本語/ビデオ/65分
日本の写真界を牽引してきた写真評論家、西井一夫の最期の日々。余命幾ばくもない西井本人から撮影を求められた河瀬監督は、動揺をしつつも翌日から西井のもとに通い出す。ビデオカメラを回しながら問いかける監督、それに必死に答える西井。そして西井自らもスチールカメラを手に、撮影する河瀬監督にシャッターを切る。撮影対象と作り手の交歓は、これからも息づき続ける「共に生きた記憶」を紡ぎ出す。

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