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カラブリア

Calabria

- スイス/2016/フランス語、セルボ・クロアチア語、 ポルトガル語、イタリア語、ロマ語/ カラー、モノクロ/DCP/117分

監督:ピエール=フランソワ・ソーテ
撮影:ヨアキム・シャルドンネン、 ピエール=フランソワ・ソーテ
編集:アーニャ・ボンベッリ
録音:パトリック・ベッカー、初井方規
整音:ジェローム・クエンデ 
音響:エティエンヌ・クルショード
音楽:ジョヴァン・ニコリッチ、ミルコ・ゴロブ
製作:ナデージュダ・マニェナ、 Le Laboratoire Central、Hercli Bundi、Mira Film
提供:ナデージュダ・マニェナ

スイスの葬儀会社で働くふたりの男が、ある遺体を霊柩車でイタリア・カラブリア州へと移送する。故郷セルビアで歌手として活動していたジプシーのジョバンと、ポルトガル出身でインテリのジョゼ。ふたりは閉ざされた車内でおのずと語り出す。死後の世界、人生、そして愛について……。彼らの背後では、カラブリア出身の死者が静かに眠っている。そのいずれもが、それぞれの事情でスイスにやってきた移民たちである。男たちの対話と旅先での一期一会を、叙情的なジプシー音楽とともに洗練された映像で描く人生讃歌。



【監督のことば】私は、あるイタリア人労働者が残した最後の願いを映像に収めた。1970年代、彼はよりよい暮らしを求めて移民としてスイスにやって来たが、故郷の村に埋葬されることを願っていた。

 本作は、仕事を見つけるために故郷の南イタリアを離れたすべての男たちに捧げる映画だ。この歴史的な事実を出発点として、私はさらに視野を広げ、よりよい暮らしを求めて故郷を離れたすべての人々を描くことにした。また、時の流れを哲学的にとらえ、人は誰でも死という無に向かっているのだから、今すぐに人生を楽しまなければならないというメッセージも込められている。

 映画の主人公は、ジプシーの歌手ジョバンと、インテリのポルトガル人ジョゼだ。私は彼らの姿を通して、移民に対する固定観念を打ち砕きたいと思っていた。地球上を移動する人々は、ただの顔のない集団ではない。移民とはつねに個人であり、それぞれに独自の過去がある。

 私はこのロードムービーを、精緻な演出を用いた上で、純粋でシンプルな手法で撮影した。対象を正面から捉えるシンプルなショットにより、主役たちと観客の間に直接的なつながりが生まれる。私が観客に望むのは、目の前で展開される人生にただ集中してもらうことだ。私たちは死というものの存在を忘れがちだが、それはつねに人生とともにある。

 この映画は死から出発し、そして人生の驚くべき豊かさを語る。

 映画とは、何かを暗示する力、喚起する力を持つ表現であると信じられてきた。私はその映画の伝統に則り、この作品を撮りたいと思った。ある個人の目から見た現実を描くことで、人生を見つめていく映画だ。私がこの形式を選んだのは、観客の想像力を刺激するためだ。観客がとても個人的なレベルで、この映画体験に参加することを願っている。


- ピエール=フランソワ・ソーテ

モザンビークで子供時代を過ごし、後に生活と仕事の場をリスボン、パリ、ブリュッセル、ローザンヌに移す。キャリアの初期は、ベルギーとスイスの公共放送局(RTBF、SF1-DRS)でテレビ番組を監督。2003年からは自身の映画の制作と監督に専念する。2009年に監督したドキュメンタリー映画『Facing the Judge』は、スイス国内で30の映画館で上映された。ローザンヌとミラノのスタジオで版画制作も行い、作品はスイスのギャラリーに飾られている。本作が長編第二作になる。