ニュー・ドックス・ジャパン |
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蜘蛛と羽虫の記憶
Memory of spider and moth-
日本/2008/日本語/カラー/ビデオ/33分
監督、撮影、編集、提供:大森宏樹
酔っぱらった恋人、非ロマンチストな友人、猫の独り言。遠い未来と見知らぬ過去に想いをはせながら“今”を過ごす日々。右手の先にカメラという目を携えて、何気ない時間を切り取っていく。ささいな瞬間をとらえたフレームの積み重ねによって、日常にゆれる心を暖かく映し出す私的映像。
【監督のことば】この映画を撮った後、山形を離れて東京に引っ越すことになった。アパートの片付けをしていて、黄色くなったレシートを見つけた。
私が山形に引っ越してきた日のレシート。
2002年4月5日、初めての一人暮らしで見当違いなものばかり買い込んでいる自分が可笑しかった。
捨てるか取っておくか考えてしまったら、それを意識のなかに置いてしまったのなら、間違いなく捨ててしまうような、つまらないもの。
それが後になって突然、最初から決められていたかのようにはっきりと役割を持つことがある。
私の周りにはつまらないものやつまらないことが沢山ある。それらが映画の中で自らの役割を演じ始める瞬間を楽しみにしながら、今日もカメラを回している。
大森宏樹 1983年、宮城県生まれ。東北芸術工科大学大学院修士課程修了。インディペンデント・フィルムメーカーとして活動している。 |