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交差する過去と現在
――ドイツの場合
A
  • 永遠の美
  • 小さな魚のおとぎ話
  • 名もなき兵士
  • 冬の子どもたち

  • B
  • コミュニストはセックスがお上手?
  • ブラック・ボックス・ジャーマニー
  • あるドイツ人テロリストの告白
  • 反逆者

  • C
  • 誰しもすべては語れない
  • 人民への愛ゆえに
  • キック
  • 閉ざされた時間
  • スクリーンプレイ:時代
  • 掃いて、飲み干せ
  • ドキュメンタリー映画の友人たちへ


     ドイツのドキュメンタリー映画では、質の高いインディペンデント作品がここ10年以上に渡って数多く生み出されています。一方、今回で10回目を迎える山形国際ドキュメンタリー映画祭は、初回から一貫して世界中のドキュメンタリー映画を紹介し、ドキュメンタリーというジャンルに対して人々の注目を集めてきました。そして今回はじめて、ドイツ映画輸出公団とドイツ文化センターの支援によって、山形映画祭でドイツ・ドキュメンタリー映画の特集が組まれ、多彩な視点と他に類のない切り口を持つユニークな映画を、目の肥えた映画ファンにお届けすることになりました。観客の皆様に最大限に楽しんでもらうために、ドイツ現代史を扱った映画の中から、幅広いテーマを扱った15作品が選び出されています。ドイツと日本の現代史においては類似する点があることからも、映画を観た人たちに、両国の比較や活発な議論の材料を豊富に提供できることを期待しています。

     このプログラムを提供するのは、現在ドイツ映画界で800以上のメンバーと参加企業を持ち、この種の団体では最大規模を誇るAG DOK(ドイツ・ドキュメンタリー映画協会)です。1980年に設立されたAG DOKは、ドイツの著名なドキュメンタリー映画作家、監督、プロデューサーのほぼ全員が参加しており、また技術的な情報から法的アドバイスまで、幅広いサービスをメンバーに提供しています。AG DOKはドイツのインディペンデント映画作家を代表して、映画やメディアの政策を審議する様々な委員会に参加し、また映画のスポンサー団体やテレビ局と交渉を持ち、プロデューサーや監督を契約や条件面でサポートしています。ドイツ・ドキュメンタリーの国際交流や外国との共同製作における交渉の窓口にもなっています。今回の山形映画祭のインターナショナル・コンペティションにドイツの作品がエントリーされているのは、その一例と言えるでしょう。

     日本でこのプログラムを開催し、質の高いドイツのドキュメンタリーに興味を持つ観客をお迎えできるのは大きな喜びです。私たちの映画が皆様の刺激になることを願っています。それでは、楽しい映画体験を。

    トーマス・フリッケル
    AG DOK ドイツ・ドキュメンタリー映画協会
    会長兼マネージング・ディレクター

     

     


    シンポジウム「交差する過去と現在」

    来日中のドイツ人映画作家たちが、2日間にわたり公開ディスカッションを行います。
    ■入場無料、日本語・英語同時通訳つき。

    日時:
    10月8日[月]13:00〜15:00 シンポジウム I「ナチスの過去と現在
    10月9日[火]13:00〜15:00 シンポジウム II「壁をはさんで

    会場: 山形市中央公民館4F
    司会: 佐藤健生(拓殖大学教授)

    ゲスト(予定):
    マーク・バウダー『誰しもすべては語れない』
    クリスティアン・ベーツ『あるドイツ人テロリストの告白』(プロデューサー)
    ユルゲン・ベットヒャー『壁』
    ヤン・ペーター『反逆者』
    イェンス・シャンツェ『冬の子どもたち』
    マルセル・シュヴィーリン『永遠の美』
    アンドレス・ファイエル『ブラック・ボックス・ジャーマニー』『キック』
    ブリギッテ・クラウゼ(AG DOK)
    ヤルグ・ヴィッテ(AG DOK)