YIDFF 2001
インターナショナル・コンペティション
世界中から応募された670作品の中から選ばれた珠玉の15作品。映画祭期間中に3回ずつ一般上映され、審査員によって大賞(ロバート&フランシス・フラハティ賞)、最優秀賞(山形市長賞)ほか各賞が決定される。
- 審査員:
- ハルトムート・ビトムスキー (ドイツ)
ベルナール・エイゼンシッツ (ベルギー)
許鞍華(アン・ホイ) (香港)
黒木和雄 (日本)
イヴァール・セレツキス (ラトヴィア)
- A
鳥のように―ラ・ドゥヴィニエール (ベルギー/35mm/90分) -
監督:ブノワ・デルヴォー
精神療法院ラ・ドゥヴィニエールは子どもたちを格子や手錠や薬から解放した。鳥のようにすべてが自由であり人生を豊かにするような場所がここにある。
- B
刑法175条 (アメリカ/35mm/81分) -
監督:ロブ・エプスタイン、ジェフリー・フリードマン
ナチスによる迫害がユダヤ人だけでなく同性愛者にもおよんでいたことは知られていない。この映画は彼らから歴史に隠された一面を聞き出すことに成功した。
- C
ヴァンダの部屋 (ポルトガル、ドイツ、スイス/35mm/180分) -
監督:ペドロ・コスタ
リスボンのスラム街。ベッド一つしかない殺風景なヴァンダの部屋と、次第に破壊されていく周囲の建物。濃密な時間が流れる圧倒的な180分。
- D
クレイジー (オランダ/35mm/97分) -
監督:エディ・ホニグマン
朝鮮半島からレバノン、カンボジア、旧ユーゴまで。オランダ国連軍兵士の戦地での回想が、彼らの記録と絡み合う印象的な音楽とともに語られる。
- E
祖母のかんざし (台湾/16mm/90分) -
監督:蕭菊貞(シャオ・ジュイジェン)
若くして中国から台湾へ移り住んだ父の故郷に対する思い。娘である作者は祖母のかんざしを足がかりに父の世代の中国に対する思いを映しだす。
- F
真昼の不思議な物体 (タイ/35mm/83分) -
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
作者はタイの国中を旅し物語を聞き取り、ユニークな作品を作り上げた。ドキュメンタリーでも劇映画でもない新世紀感覚の映画が誕生した。
- G
安らぎの土地 (アメリカ/35mm/90分) -
監督:ケイト・デイヴィス
アメリカ南部ジョージア州の片田舎を舞台に、女性から男性へ男性から女性へと、性を換えて生きる人たちを静かに見つめ、彼らを取りまく社会の現実を照らし出す。
- H
青春クロニクル (ロシア/35mm/91分) -
監督:ヴィターリー・マンスキー
1961年から1986年にいたる、あるロシア人青年の青春のクロニクル(年代記)、私たちは社会主義国ソビエトのごくありふれた家族の何気ない日常に触れる。
- I
ガイア・ガールズ (イギリス/35mm/106分) -
監督:キム・ロンジノット、ジャノ・ウィリアムズ
日本女子プロレスGAEA JAPAN(ガイア・ジャパン)、不安と興奮の入りまじるなか新人竹内彩夏がプロテストに挑むまでの奮戦を描く。
- J
アンゲロスのフィルム (オランダ/ビデオ/60分) -
監督:フォルガーチ・ぺーテル
アンゲロス一家のホーム・ムービーと、彼が記録したアテネの惨劇。妻や子どもとの幸福な日々がナチス侵攻によってしだいに暗い影をおびてくる様子を描く。
- K
A2 (日本/ビデオ/130分) -
監督:森達也
オウムをめぐる様々な人間関係。テレビでは伝えきれない「民衆の敵=オウム」をめぐる日本社会のもう一つの姿を私たちは目撃する。
- L
あるアナーキスト―ドゥルティの生涯 (スペイン、フランス/ビデオ/107分) -
監督:ジャン=ルイ・コモリ
スペイン革命の際にアナーキスト民兵部隊を指揮し、1936年の攻防戦で亡くなった革命家ドゥルティの生涯を、演劇と映画という二重構造の中で描く。
- M
山での日々 (中国/ビデオ/162分) -
監督:王海兵(ワン・ハイビン)
中国・四川省の奥深い山里の村。ひとりの画家を通して農民たちの日々の営みが四季の移ろいの中に静かなタッチで映し出されていく。
- N
さすらう者たちの地 (フランス/ビデオ/98分) -
監督:リティー・パニュ
カンボジアを横切る東南アジア初の光ファイバーケーブルの敷設工事、村から村へと数ヶ月に及ぶこの作業に従事する貧しい家族を見つめる。
- O
シックス・イージー・ピーセス (アメリカ、イタリア、ポルトガル/ビデオ/69分) -
監督:ジョン・ジョスト
デジタルビデオという表現媒体による実験的かつ斬新な6つのエピソード。この映画に物語はない。だがここには自由な想像力がとびかう可能性に満ちた空間がある。