ミゲルの戦争
Miguel's War- レバノン、スペイン、ドイツ/2021/128分
監督:エリアーン・ラヘブ Eliane Raheb
ミゲルと名乗るレバノン出身のゲイの男。家庭にまつわる幼少期の暗い記憶と、レバノン内戦に参加し被った精神の苦痛はいまだ癒やされることがない。正面からの対話を試みる監督に対し、ミゲルは常に人を食ったような態度ではぐらかす。嘘、ジョーク、沈黙、そして強烈な哄笑の奥には、言葉にならない深い傷、語られることを拒否する戦争の影がある。精緻なアニメーション、演劇的手法なども多用し、複雑な脳内が幾重にも表現される。『そこにとどまる人々』(2016、YIDFF 2017)のエリアーン・ラヘブの新境地。
●8日16:30 | 11日18:00