レバノン・パレスティナ 40s−80s――16mmフィルムが捉えた風景
土地の日
Land Day- パレスティナ/1983/アラビア語、日本語/カラー/16mm/48分
製作:パレスチナ解放機構(PLO)サメド映画部
日本語版制作:パレスチナ解放機構(PLO)駐日代表部
提供:東京国立近代美術館フィルムセンター、高岩仁
1976年3月30日。イスラエルによる土地の強制収用に反対したパレスティナ人が「土地の日」の名の下にゼネストを決行。イスラエル軍による弾圧で多数が死傷し逮捕された。1948年のイスラエル建国以来、初めてパレスティナ人が団結し抵抗を示したこの日の闘いは、パレスティナ社会を大きく前進させた。この日の闘いについて当事者たちが証言する。
レバノン1949
Lebanon 1949- メキシコ/1949/サイレント(音声原版欠落)/カラー、モノクロ/ビデオ(原版:16mm)/48分
撮影:ネーイフ・フーリー
提供:アーイダ・フーリー
レバノンの山村から20世紀初頭にメキシコに移住した家族。映画館を経営する2代目が1949年に家族を連れ、16ミリフィルムのカメラを持参して里帰りした旅の記録。カメラはレバノン議会内部にも入り、独立後まもない国の姿が映し出される。家族が足をのばしたシリアとパレスティナの風景もとらえられている。
協力:Cineteca National、科学研究費「レバノン・シリア移民の拡張型ネットワーク」プロジェクト
レバノン内戦
Lebanese Civil War- パレスティナ/1976/英語、アラビア語/カラー/16mm/65分
製作:PFLP、ムラビトゥーン
日本語版制作:パレスチナに連帯する日本人映画グループ、若松プロダクション
1975年に始まったレバノン内戦。ファタハと世俗的民族運動の両指導者のインタビューをはじめ、砲撃で破壊され多くの遺体が横たわるベイルートの街の様子と、深刻さを増す内戦の状況が描かれる。諸外国による干渉が最高潮に達した時期に、PFLPとレバノンの民族派組織「ムラビトゥーン」により製作されたプロパガンダ映画。
ベイルート1982 PLO撤退からパレスチナ大虐殺まで
Beirut 1982- 日本/1982/日本語、アラビア語、英語/カラー/16mm/19分
製作:布川プロダクション
提供:プラネット映画資料図書館
イスラエル軍のレバノン侵略に対し、PLOは3ヶ月間の戦闘を経てパレスティナ民衆を残し撤退した。取り残された人々は、いつ来るとも知れぬ攻撃の脅威に曝されながら、カメラに笑顔を向ける。続いて映し出される、サブラ、シャティーラ難民キャンプ虐殺の凄まじい光景は、日常が一瞬にして破壊される悲劇を生々しく描き出す。
イベント
講談付き上映『レバノン1949』
1949年、独立直後のレバノンを記録した16mmフィルムがデジタル修復によって甦った! 発掘されたホーム・ムービーを講談師・宝井琴柑(きんかん)による語り付きで上映。
グッバイ・シュレンドルフ 「偽造された戦争 ―音の往復書簡―」
+Ky アコースティックライブ ヤマガタ版
カンヌ国際映画祭の「Visions Sociales」でも話題をさらったレバノン人ラッパーRayess Bekことワエル・クデの「グッバイ・シュレンドルフ」ヤマガタ版がやってくる! 仲野麻紀(サックス)とヤン・ピタール(ウード・ギター)のユニット・Ky[キィ]とアコースティックライブを決行!
- 料金: 2,000円
フリートーク: 監督たちに聞いてみよう!
「アラブをみる」プログラムの上映で来日した監督4名とシリア人ジャーナリストのナジーブ・エルカシュさんにいろいろと質問できる1時間。
- ゲスト監督:
- ハーゼム・アル=ハムウィ
ダリーラ・エッナーデル
ショーン・マカリスター
ヒンド・シューファーニ