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離散の旅

Trip Along Exodus
Rihla Fee Al Raheel

- パレスティナ、シリア、レバノン、アメリカ/2015/アラビア語/カラー/Blu-ray/120分

監督、撮影、提供:ヒンド・シューファーニ
撮影:ラジャイ・カティーブ、アダム・シャピーロ、 アティリオ・メネンデス、ラフィ、ニック・ザジセック
編集:アイマン・ナハレ

1970年代にPLOの指導者でありながら、アラファト批判の急先鋒として政治の表舞台から姿を消したエリヤース・シューファーニ。娘である監督が、幼い頃に家族を捨て、革命に身を投じた父親の晩年に寄り添いつつ、離散した親族に父の思い出を尋ねていく。シューファーニの個人史から、70年にわたるパレスティナ人の悲劇が浮かび上がる。



-【監督のことば】ベイルート、ダマスカス、アンマンで育ち、運転手やボディガード、鉄格子、政治的謀略を企む秘密のささやきに囲まれて暮らしてきた私は、謎に満ちた不在の父親がすべてを捧げたものについて、ほとんど何も知らなかった。誰かに尋ねられると、父は「作家」だと答えていた。そして数十年が経ち、父が占領地ガリラヤで家族を捨て、アメリカの名門大学での教職の仕事も捨て、70年代にパレスティナ革命の指導者になったことを知った。そこから私の過去を探る旅が始まった。もしかしたら私は、父の決断によって引き起こされた困難を許す口実を探していたのかもしれない。5年間取材を重ね、7つの都市で撮影を行った。ずっと昔に離ればなれになった友人や家族と再会し、複雑な存在である父との間に新たな関係を築いた。そして私はついに、この世界での自分の立ち位置を理解することができたのである。


- ヒンド・シューファーニ

パレスティナの映画作家、詩人。フルブライト奨学金を得て学び、ニューヨーク大学で映画制作の修士号を取得。映画と文学の世界でキャリアを積む。プロデューサー、監督、編集者、翻訳者、パフォーマンス詩人として、ベイルート、ダマスカス、アンマン、ドバイ、ニューヨークなどで活躍。本作が初の長編ドキュメンタリー。詩を出版し、複数の国でフリーランスとして働いている。