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アスマハーンの耐えられない存在感

The Unbearable Presence of Asmahan

- オーストリア、カタール/2014/アラビア語、英語、ドイツ語/カラー、モノクロ/Blu-ray/71分

監督:アッザ・エル=ハサン
撮影:ヨルグ・バーガー
編集:マレク・クラロヴスキー
製作:ラルフ・ヴィーザー、ダビッド・ボーフム
提供:Mischief Films

1940年代、エジプトで一世を風靡したアラブの歌姫アスマハーン。2本の映画に主演し、26歳の若さで事故死した彼女が歌う“Euphoric Nights in Vienna”は今も人々に語り継がれる。「アラブの春」を機に再び注目を集め始めている理由を探り、アラブ世界の西洋への眼差しを改めて問い直す。



-【監督のことば】本作はアスマハーンの生涯を伝記的に語るだけでなく、西洋を愛しつつもそのアラブ世界への干渉を苦々しく思うという、彼女と西洋の厄介な関係性を描いている。これは、中東で育ち、現在は西洋で仕事をしている私にとっても、個人的に思い入れの強い企画だ。西洋がいかに東方を欲望し、恐れ、拒絶しているかというオリエンタリズムを活写した映画は少なくない。本作は逆に、東方の視点から、いかにアラブ世界が西洋を夢想しつつもそれと争い、その干渉を拒絶しているかを考察するものである。


- アッザ・エル=ハサン

映画テレビ研究・社会学で学士、テレビドキュメンタリーで修士の学位を取得。その作品はBBC、アルテ、YLE、ARDといった国際的なネットワークを持つテレビ局で制作・放映されている。YIDFFでもこれまで2本の作品が上映された(1999年に『モーゼからの権利証書』、2001年に『ニュースタイム』)。他にもアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭、DOKライプツィヒをはじめ、多くの映画祭やアートイベントで上映されている。