ニュー・ドックス・ジャパン |
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フェンス 第一部:失楽園 第二部:断絶された地層
Fence Part One: Lost Paradise, Part Two: Fragmented Stratum-
日本/2008/日本語/カラー/ビデオ(HD)/167分
監督、編集:藤原敏史
撮影:大津幸四郎
録音:久保田幸雄、安岡卓治、松林要樹
製作会社:安岡フィルムズ、羅針盤映画
配給会社:(有)安岡フィルムズ
戦時中は日本軍に接収され、戦後は米海軍に引き継がれて“占領”が続いたままの池子村と柏原村。今はフェンスの向こうに隔てられている里山を眺めながら生活するかつての村人たち。自然と共に生きた暮らしの記憶に寄り添いながら、戦後の日本社会が、いかにこの歴史の矛盾に満ちた場所に関わって来たのか、あるいは関わることから逃げて来たのかを浮き彫りにする。
【監督のことば】作った人間としては、これを在日米軍をめぐる政治的な映画としては見てもらいたくない。この二部作は失われてもはや見ることのできない“ニッポンのふるさと”をめぐる、記憶することと見られないことについての映画であり、僕自身が池子と直接関係のない人間であるにも関わらず、自分の極めてパーソナルな思いが、我々が見せるものと見せないもののすべてに、滲み出ていればいいと思う。
藤原敏史 横浜生まれ。東京とパリで育ち、早稲田大学と南カリフォルニア大学で映画を学ぶ。映画批評家を経て2002年に監督デビュー。2006年に実験的な即興演出を駆使した劇映画『ぼくらはもう帰れない』(2006)がベルリン国際映画祭に出品され注目を浴びる。 |