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特別招待作品

家庭内暴力

Domestic Violence
- アメリカ/2001/英語/カラー/16mm/195分

監督・編集・録音・製作:フレデリック・ワイズマン
撮影:ジョン・デイヴィ
製作会社:ドメスティック・バイオレンス・フィルム
提供:ジッポラ・フィルムズ
Zipporah Films, Inc.
One Richdale Avenue, Unit #4, Cambridge, MA 02140 USA
Phone: 1-617-576-3603 Fax: 1-617-864-8006
E-mail: info@zipporah.com
URL: www.zipporah.com

一見異常な行為に思える家庭内暴力は、その実現代社会でもっとも平凡な暴力の形であるだろう。アメリカの日常生活についての映画群の31本目で、ワイズマンはこの問題を取り上げた。フロリダ州タンパで、ワイズマンはこの太陽の降り注ぐ一見のどかなコミュニティの日常生活における血まみれの側面をスケッチする。そして映画はこのコミュニティの家庭内暴力被害者保護施設――フロリダ州で最大――に移る。住人たちは自らの辛い記憶と向き合い、やがて家庭内の虐待の背景にある複雑な因果関係と心理が明らかになっていく――なぜ家族がお互いを傷つけあうのか、なぜ犠牲者は傷つけられることを許してしまうのか。映画はたびたび我々を驚かし、この問題について我々が思い込んでいたステレオタイプを覆し、このひとつひとつの生きた事実に直面させる――それがいかに似通っているか、と同時にいかに多様に異なった固有の問題が個々のケースにあるか。我々は被害者たちがいかに立ち直るかを学ぶが、と同時にこのプロセスがいかに難しいものか、失敗も多いかを思い知らされる。またもや、ワイズマンは我々の一見平凡に見える日常のショッキングで複雑さに満ちた肖像を提示する。



【監督のことば】私は普通の体験をドキュメントすることに興味がある。家庭内暴力がありふれた人間の行動である以上、映画の題材にふさわしいと思った。

 

- フレデリック・ワイズマン

1930年ボストン生まれ。ダイレクト・シネマ最盛期の1967年、精神病院刑務所に取材した『チチカット・フォーリーズ』で監督デビュー。以来、ほぼ年に1本のペースで着実に作品を発表している。一貫したテーマはアメリカ社会の施設・日常生活で、学校 ―『高校』(1968)『High School II』(1994)、病院 ―『病院』(1969)『臨死』(1989)、警察 ―『法と秩序』(1969)、軍隊 ―『軍事演習』(1979)『Missile』(1987)、劇団 ―『バレエ』(1995)などを扱ってきた。本映画祭では、1991年に『モデル』(1980)を招待上映、1993年に『動物園』(1993)がインターナショナル・コンペティションで最優秀賞を、1997年には『コメディ・フランセーズ ―演じられた愛』(1996)が特別賞を、1999年には『メイン州ベルファスト』(1999)が最優秀賞を受賞している。


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