Q: ノンプロフィット・フィルムとはどのようなものですか。
SI: 自主制作的に作られた個人の作品です。営利目的ではなく、作家の自己表出のために作られたいわば純粋芸術ともいうべきもので、流通経路を持つコマーシャルな作品以外を対象とします。
Q: なぜFMICをつくろうと思ったのですか。
SI: 1度上映したフィルムは作家に再上映の意志がなければ、しまいこまれる運命にある。公開された作品は作家の手を離れて社会ないしは世界に帰属するもののはずだが、実際は作家が1人でコントロールしていて広がりを持っていない。情報そのものが閉じこもり、誰が何をいつ作ったかすらわからない。そこで作品の流通に問題があるのではないかという疑問に行き着いたのです。流通経路の整備さえすれば、以前に見た作品にまためぐり合うことができるかもしれない。そんなことからFMIC設立を考えた。
Q: 具体的な活動について教えて下さい。
SI: 見る、作る、参加する、批評するといったことをネット上で展開していきたい。まずはデータベースを作る。手に入る情報から集めてデータベース化してインターネット上で公開し、作家と容易に連絡が取れるようにするなど、ネットの双方向性という利点を活かした運営をしたい。次に映画批評についてだが、メールマガジンで批評活動を展開するなどしていきたい。また制作に関するノウハウについてもよく聞かれることであるからサポートしたいし、すでに活動中の団体との情報交換の場や、海外の団体とお互いの国の作品を紹介しあえる窓口ともしたい。
Q: トークが行われますが、どのような内容になりますか?
SI: 映画発表の困難さというものは、アジア、南米、東欧の国々が等しく抱える問題だと思う。お互いの問題を話し合うことでアーカイブの重要性を確認できるのではないかと考えている。
Q: なぜ実験映画の企画なのですか。
NT: 今回の上映会では、ノンプロフィット・フィルムの中の分り易い1つの枠組みとして実験映画を設定した。実験映画の見せ方の切り口にもいろいろあるが、ここではキュレーションということを問題にしたい。上映会をする時にただ作品を並べるのではなく、見る側に対してある種のとっかかりを与えることが大切である。FMICに情報がたくさん集まり、発信する時にもキュレーションが大切になってくると思う。美術などでは当たり前のことが映画では価値を置かれていないが、いろいろな人がキュレーションし、常に新しい見方を提案していくことで、活性化し、映画史が書き替えられていくはずである。
この後、上映作品と個々の作家について詳しくお話いただき、映画と音楽の関係性、ファウンドフッテージ、著作権の話などにも脱線したが、紙面の都合により割愛せざるを得ません。興味をお持ちの方はぜひ市民会館ホールへ足をお運び下さい。
トークと上映会は10/6(土)午後12:00から市民会館小ホールで行われます。
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