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     かつて新宿は混沌と先鋭の同居する、知的無法地帯であった。しかし、その後新宿は同じ無法地帯とはいえ、ある種の無国籍なポストモダン世界と化した。向かうべき方向を見失ったかに見える新宿を、昭和歌謡という暴力(ゲバルト)で脱構築したのが渚ようこ(山形県白鷹町出身)である。その人生と新宿コマ劇場でのリサイタルを、自らの過去と重ね合わせながら撮ったのが、かわなかのぶひろ監督の『新宿伝説 ― 渚ようこ☆新宿コマ劇場ゲバゲバリサイタル』。

    (富塚正輝)


    新宿伝説 ― 渚ようこ☆新宿コマ劇場ゲバゲバリサイタル

    Shinjuku Legend--Nagisa Yoko Shinjuku Koma Gewa-gewa Recital

    - 2009/日本語/カラー/ビデオ/73分
    監督、撮影、編集、提供:かわなかのぶひろ
    編集協力:白尾一博
    写真:森山大道
    出演:渚ようこ、若松孝二、山谷初男

    渚ようこには、少女時代からの夢が2つあった。ひとつは阿久悠に作詞してもらうこと。そして、もうひとつは新宿コマ劇場で歌うこと。

     阿久悠のオリジナル曲はすでに実現していたが、新宿コマ劇場が閉館することを知った渚ようこは、夢を叶えるべく、独力でコマ劇場を借りきることを決める。彼女の夢に新宿に育てられた若松孝二、山谷初男、内藤陳、三上寛をはじめとする多くの仲間たちが共鳴し、リサイタルは大成功に終わった。かわなかのぶひろ監督は、何十年も前に牛乳配達の途中に新国劇の緒方拳とコマの楽屋で語り合ったという青春時代の思い出を胸に、その楽屋を撮影した。

    link インタビュー