2013-03-09 | | | 映画の楔……忘れないために 「ともにある Cinema with Us 忘れないために 1」上映会を終えて |
あの未曾有の2011.3.11東日本大震災から2年。あまりにも重要な課題が山積していて、いわゆる被災地に住んでいない私たち山形の住民ですら、簡単に「復興」などという言葉を使うことがためらわれます。この2年で、いったい何がどう変わったのか、変えられたのか、本当に分からないというのが実感です。
しかし一方で時の経過だけは取り返しがつかないほどに早いと感じている。だからこそ、復興に向けた各現場の努力という未来へのベクトルの中に、起点である3.11やその後の経験を忘れずいようという思いの楔(くさび)を、 ときどき打たなければいけないとも感じています。そして、それは、より具体的であるべきだと。
3月1日〜3日、山形市内のフォーラム山形を会場に、私たちが開催した「ともにある Cinema with Us 忘れないために 1」は、映画に係る人間としての、ひとつの楔でした。
しかし、この楔は、決して一方的に世の中に打込んでもしょうがない、映画によるそれであるならば、より多くの人に観て受けとめて欲しい、そしてその「場」を支える人たちが現れて欲しい、いや、そういう人を探そうと……そんな思いで取組んだと云えます。
この3日間、延べで1,000人近い方々が「映画」に出会いに来てくれました。そして、映画の作り手たちも、観客に出会いに山形に来てくれました。作家であれ、観客であれ、企画運営側であれ、同じ時代に何かとんでもないものを突きつけられてしまった人たちが、この間、映画を通して、そこに集う人に出会うことを通して必死に何かを深めようとしている姿、そして、醸し出される空気や熱気が私にはとてもリアルに伝わってきました。そのことが、ただただ大事だったんだと、この場に居合わせ時間を共有できた人間として、今しみじみ感じています。そして、その余熱もまだあります。
さて、次なる楔は……。
みなさん、ありがとうございました。
高橋卓也(山形事務局長)
ご支援・ご来場ありがとうございました! 「ともにある Cinema with Us 忘れないために 1」上映会報告(画像計230KB)