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ゆきゆきて、神軍

The Emperor's Naked Army Marches On

- 日本/1987/日本語/カラ―/16mm/122分

監督、撮影:原一男
録音:栗林豊彦
編集、構成:鍋島惇
製作:小林佐智子(疾走プロ)
提供:国際交流基金

-原一男のこの電撃的な作品は、ドキュメンタリー史上のひとつの極北と言えるインタビューを映し出す。元日本兵の奥崎謙三が、かつての戦友への取材を試みるが、誠実さを欠いた要領を得ない回答を受け、拳を使って相手から言質をとっていく。こうした手法を正当化する言い分はないはず、と思いきや、暴力も辞さない方法でことの真理が暴かれていく。原の映画はすべて、既存のドキュメンタリーの倫理的境界と接触しながら、被写体と観客を新たな方向へと押しやっていく。


- 原一男

1945年山口県生まれ。東京綜合写真専門学校中退後、今村昌平らのもとで劇映画の撮影・演出助手を経験。他の監督作は、障害者自立運動家を挑発的に描いた『さようならCP』(1972)、ラディカル・フェミニストの元恋人の人生に迫る『極私的エロス・恋歌1974』(1974)、作家・井上光晴の人生における虚実に分け入る『全身小説家』(1994)など。劇映画『またの日の知華』(2005)も監督。現在、大阪芸術大学教授。YIDFF '93審査員。