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    Green Rocking Chair
    Juan Baybayin

    - フィリピン/2008/フィリピン語/カラー、モノクロ/ビデオ/61分

    監督、脚本:ロックスリー
    撮影:アルバート・バンゾン、ジム・ラムベラ、ブラン
    編集:ロット・アルボレダ、ジム・ラムベラ、JPパパ、マーク・ミラブエノス
    音楽:ロックスリー、カダンニャン、ハヌヌオ・マンニャン族
    アニメーション:ロックスリー、ロット・アルボレダ、 エンゾウ・フロレンティノ、UPFIアニメーション・ワークショップ2007
    配給、提供:バイバイン・プロダクション www.baybayinproductions.com

    フィリピンの島々のあちこちで、バイバインは生きている! 1521年、マゼランがキリスト教とスペイン語を携えてフィリピンに上陸する前に使われていた文字、バイバインを探す旅人(ロックスリー)は現代の街を彷徨い、カラフルな芸術家、革命家、子どもたちと出会う。国民的英雄ホセ・リサールが描いたフィリピン民話『猿と亀』のアニメーションも登場し、漫画家でもある監督の手で「フィリピン」がコミカルかつ賑やかに描かれる。ロックスリー体当たりロード・ムービー。



    - 【監督のことば】 300年以上にもおよぶ植民地支配の間、スペイン人はフィリピン人の固有の文字を奪い取ろうとした。そして、支配者の目論見はどうやら成功したようだ。現在、ほとんどのフィリピン人は、そのような文字のことを気にかけていないし、存在したことさえも知らないだろう。この映画を作った私たちの願いは、バイバインという古い文字の探求を通して、フィリピン固有の文字体系の一端を観客に垣間見てもらうことだ。フィリピン人の観客には、自分たちの文化をより深く知ってもらいたいと思っている。もし仮に、スペインが日本を植民地化し、日本の文字を奪い取っていたらと想像してみよう。漢字、平仮名、カタカナといった、現在使われている文字は、存在しないことになる。ちなみに、本作品に登場する「KKK」という記号は、「クー・クラックス・クラン」の略ではなく、「Kataas-taasan Kagalang-galangang Katipunan ng mga Anak ng Bayan」の略である。これは、「祖国の子どもたちによる至高にして崇高な会」という意味であり、スペイン支配に対する最初期の地下抵抗組織なのだ。


    - ロックスリー

    1950年、フィリピンのナガ市で生まれたロック・フェデリゾン・リーはロックスリーの名前で知られる、フィリピンのインディペンデント映画の先駆者。漫画家としてスタートし、'83年からアニメーションや短編映画を制作。兄のラモンと共同で、自分たちの人気漫画をもとにした35mm長編映画『Cesar Asar』を作る。フィリピンのアニメーター組織、アニマジネーションの設立者のひとり。また、映画作家、ヴィジュアル・アーティスト、ミュージシャンら、情熱を共有するインディペンデント・アーティスト・グループ、Sinekalye(ストリート・シネマ)の設立にも携わる。国際交流基金の芸術家支援を受けて、1992年から93年まで東京に滞在。'80年代終わりにはハンブルクとベルリンで特集上映が行われた。香港、シンガポール、インドネシア、ロッテルダム、ロサンゼルスをはじめ、各地の映画祭で作品が上映されている。『ハラジュク』はYIDFF '93で上映された。YIDFFの先付け、Tシャツ・デザインなども手がけたことがある。