Talking about Japanese Docs
J-Pitch セミナー「日本ドキュメンタリー、国際共同製作の可能性」
映画祭はビジネスと芸術文化の立体交差点。海外から特別ゲストを迎え4回のセミナーを開催します。欧米のドキュメンタリー製作スキームと市場について学び、日本のプロダクションが合作を通して国外で観客と制作資金を得ることが可能なのか、ケーススタディを通して考える試みです。日本ドキュメンタリーの国際共同製作の現状と今後について考察します。
日時:10月5日[金]〜8日[月・祝]
会場:山形市中央公民館4F 大会議室
参加費:無料
主催:ユニジャパン(財団法人 日本映像国際振興協会)、J-Pitch事務局
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セッション(1)10月5日[金]10:00〜12:30
世界のドキュメンタリー映画市場、国際共同製作の実情
講師:エステル・ヴァンメッセル(ファースト・ハンド・フィルムズ社CEO) 『僧院物語』など世界200本以上ものドキュメンタリーの世界配給と製作を扱うセールズエージェント。中東やアフリカのドキュメンタリーの製作に企画段階から参加し、各国公共放送にプリセール交渉し、国際共同製作を実現させてきた。世界の映画市場でもコンサルタントや講師として招かれることの多い、その幅広い経験から、日本ドキュメンタリーの海外展開、国際共同製作のヒントをつかむ。
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セッション(2)10月6日[金]10:00〜12:00
『選挙』と世界同時放送シリーズ〈デモクラシー〉 の例
講師:想田和弘(『選挙』監督) 川崎市議補欠選挙の自民党候補者を追った純日本的題材のドキュメンタリーが、2007年10月には世界200カ国ものテレビ視聴者の目に届く。世界の公共放送が結集し、世界の「デモクラシー」の現在を問う、放送史における記念碑的一大事業――その「日本代表」となった『選挙』の製作と配給の実状についてプロデューサーでもある監督から聞く。
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セッション(3)10月7日[日]10:00〜12:00
NHKと国際共同製作、『異界百物語』のケーススタディ
講師:浜野高宏(NHK編成局ソフト開発センター/チーフ・プロデューサー) 出資するだけでない、本当の意味での日本発信のコンテンツを重視した国際共同製作。そんなドキュメンタリーを目指し、世界各国の放送局から資金を集めるピッチング(企画提案)セッションに積極的に参加しているNHKプロデューサーの実体験から学べることは? 日本の怪談をテーマとした製作中の番組『異界百物語』の企画、資金集め、完成予定について、映像を交えながらの詳細な報告。
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セッション(4)10月8日[月・祝]10:00〜12:30
日本の監督をプロデュースする
講師:ルチアーノ・リゴリーニ(フランスARTE放送)、河瀨直美(『垂乳女』監督) 河瀨直美監督のドキュメンタリー作品を多く購入放送し、中でも『きゃからばあ』と『垂乳女』をプロデュースしたその人。A・ソクーロフ、C・マルケル、C・アケルマン、S・ドヴォルツェヴォイなど多くの作家のドキュメンタリーを製作。日本の監督とコラボレーションする困難と成果について、実体験を聞く。壇上には河瀨直美監督も加わり、海外と合作する監督の観点を披露する。
J-Pitchとは? 日本のプロデューサーによる企画の国際共同製作の実現を目的として、経済産業省、ユニジャパンが主催となり発足した事業で、(1)国際企画マーケットで、海外のプロデューサーとのネットワーキングの場の提供、(2)日本国内で、国内外のアドバイザーによるワークショップを開催し企画開発のサポート、(3)広くプロデューサーを集めた、法務やファイナンシングといった国際共同製作の基礎を伝えるセミナーの開催、等の活動を行っています。 |