アジア千波万波
●10月8日−12日
荒削りでもキラリと光るアジア18作品。場所や時を軽やかに超え、作り手の想いが交錯する自由なアジアの世界へ、いざ!
A
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午後の景色
Afternoon Landscape - 韓国/2020/73分
監督:ソン・グヨン Sohn Koo-yong
ある街の水辺、通り、洋品店、理髪店、公園、お寺、路地、校庭などが映されるなか、カメラを持つひとりの女性が随所に現れて撮影している。
●10日12:30 | 11日14:00
B
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蟻の蠢き
Ants Dynamics - 中国/2019/120分
監督:徐若涛(シュー・ルオタオ)、王楚禹(ワン・チューユー) Xu Ruotao, Wang Chuyu
チャイナテレコムを突然解雇された労働者たちの抗議の戦いに寄り添って、アーティストたちが写真、演劇など、奇想天外なパフォーマンスを展開する。
●8日17:00 | 11日21:30
C
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言語の向こうにあるもの
Beyond the Language - フランス、日本/2019/97分
監督:ニシノマドカ Nishino Madoka
パリ第8大学の「外国語としてのフランス語講座」の授業風景。文学とジェンダーという2つのテーマを通して、国内外から来た学生たちによる自由な討論を描く。
●10日17:30 | 12日16:00
D
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駆け込み宿
Dorm - 台湾/2021/54分
監督:蘇育賢(スー・ユーシェン) So Yo-hen
ヴェトナム人の女性労働者が暮らす寮。二段ベッドと人とがひしめき合い、物やスーツケースが埋め尽くす異空間で彼女たちは語り合い、やがて大きなうねりを起こす。
●8日20:00 | 11日18:00
E
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エントロピー
Entropy - ポーランド/2021/10分
監督:張猷嵩(チャン・ヨウソン) Chang Yu-sung
死にゆく炭鉱。山を掘削する巨大な重機が物々しく動く。モノクロの画面の中で機械とそれを操作する人間の身体とが融解しやがて乱雑さを極めていく。
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それは竜のお話
It's Just Another Dragon - レバノン、ハンガリー/2020/16分
監督:タイムール・ブーロス Taymour Boulos
違う時代に、ブタペストにたどり着いた、ストーリーテラーと若手映像作家。それぞれが物語を持ち寄り、互いの胸に言葉を預け、交歓しながら、映像を紡ぎだしていく。
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心の破片
Broken - ミャンマー/2021/13分
監督:ナンキンサンウィン Nan Khin San Win
カヤー州、紛争が続く限り、世代は違えど女性が性暴力と隣り合わせであることに変わりはない。監督と一人の年上の女性、それぞれの思いが、森に重く静かに語られる。
●8日22:00 | 11日19:30
F
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炭鉱たそがれ
Home in the Mine - 中国/2021/109分
監督:陳俊華(チェン・ジュンホア) Chen Junhua
中国経済の過去の主軸とともに発展し衰えゆく炭鉱の町。地下800メートルの暗闇に眠る資源が与えたもの、奪ったものを自らの家族をとおして映し出す。
●8日14:00 | 12日20:00
G
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リトル・パレスティナ
Little Palestine, Diary of a Siege - レバノン、フランス、カタール/2021/89分
監督:アブダッラー・アル=ハティーブ Abdallah Al-Khatib
シリアのパレスティナ人難民キャンプの生活。シリア情勢の悪化から道路は遮断され、食料も底をつき、爆撃で命を落とす人も絶えない。人々はただ歩くしかない。
●10日20:00
H
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異国での生活から
The Lucky Woman - 台湾/2020/87分
監督:曾文珍(ツォン・ウェンチェン) Tseng Wen-chen
過酷な労働や医療保障のない状態などから、雇用先を逃亡し、不法滞在で職業を転々として何とか生活しているヴェトナム人たち。10年以上の滞在の果てに……。
●10日15:00 | 11日16:00
I
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ルオルオの怖れ
Luo Luo's Fear - 中国/2020/85分
監督:洛洛(ルオルオ) Luo Luo
コロナ禍、不安でたまらないルオルオは外出せず、同居の父が家族の歴史を読むのを傍らで聞き、ネットで呉文光や章梦奇、仲間たちと語らう。
●9日12:30 | 12日14:00
J
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メークアップ・アーティスト
Makeup Artist - イラン/2021/76分
監督:ジャファール・ナジャフィ Jafar Najafi
夢を叶えるためならば、と夫や義母の猛反対にもめげず、あの手この手で道を切り開き突き進むミーナ。次第に周囲も、世界も少しづつ変わっていくかのように見えたが……。
●9日15:00
K
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東北おんばのうた ― つなみの浜辺で
Songs Still Sung: Voices from the Tsunami Shores - 日本/2020/80分
監督:鈴木余位 Suzuki Yoi
三度の津波に襲われた大船渡で生きるおんばたちの言葉を詩人の新井高子が聞いていく。生活感のあるケセン語の詩や短歌が、力強く重層的に響く。
●9日10:00 | 12日18:00
L
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沈黙の情景
The Still Side - メキシコ、フィリピン、アルゼンチン、韓国/2021/70分
監督:ミコ・レベレザ、カロリーナ・フシリエル Miko Revereza, Carolina Fusilier
メキシコの太平洋岸にある島。かつてのにぎわいは消え今は人影もない。この地に残された音と空間、過去と未来が交差し、見るものを時空を超えた旅へといざなう。
●10日10:00 | 12日22:30
M
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夜明けに向かって
This Stained Dawn - パキスタン、カナダ/2021/89分
監督:アナム・アッバス Anam Abbas
その日、全国各地で女性が一斉決起した。カラチで世界女性デーの集会を準備する女性グループの知恵と労苦としなやかな連帯が逆風の中に生き生きと描かれる。
●9日17:30
N
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燃え上がる記者たち
Writing With Fire - インド/2021/93分
監督:リントゥ・トーマス、スシュミト・ゴーシュ Rintu Thomas, Sushmit Ghosh
インド北部、ダリトの女性たちが立ち上げたウェブ・メディア。主要メディアが扱わない事件も取り上げ、スマホを駆使して取材に奮闘する女性記者たちの姿を追う。
●9日20:00
O
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ベナジルに捧げる3つの歌
Three Songs for Benazir - アフガニスタン/2021/22分
監督:グリスタン・ミルザイ、エリザベス・ミルザイ Gulistan Mirzaei, Elizabeth Mirzaei
カブールの避難民キャンプに暮らす若い夫婦。青年は愛する妻ベナジルのために歌を捧げる。生活のため彼が選んだ苦渋の決断は、4年後深刻な事態となり……。
●11日12:30 | 12日12:30(上映追加)
以下のノミネート作品はYIDFF 2021オンライン上映はありません。ご了承ください。
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怖れと愛の狭間で
Fear(less) and Dear - 香港/2020/106分
監督:麥海珊(アンソン・マック) Anson Mak
親でもある3人のアーティストは、民主化デモに参加した実体感や、それぞれの芸術表現を身体に貫きながら、怖れのありかとともに、2019年夏以降の香港の日常を生きている。