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嘘つきはドキュメンタリーのはじまり?


協力:日本映画大学、山形大学、映画秘宝


 ドキュメンタリーとは何か、そして映画とは……。ヤマガタはこの問いに、時に挑戦的に、時に真摯に向き合ってきた。本プログラムは四半世紀にわたるこの取り組みを、フェイク(嘘)・ドキュメンタリーという観点からデフォルメし、顕在化する試みである。ここに取り上げる作品はドキュメンタリー/フィクションについての巷間に溢れるイメージに介入し、それを押し広げ、挑みかかろうとする衝動に貫かれている。この衝動こそ、多彩な映画表現が密林のごとく生い茂るヤマガタを歩くための道しるべとなるに違いない。


人間蒸発

Missing

日本/1967/日本語/モノクロ/ 16mm(原版:35mm)/130分

監督、企画:今村昌平
撮影:石黒健治 編集:丹治睦夫
録音:紅谷愃一、武重邦夫 音楽:黛敏郎
協力:浦山桐郎
出演:露口茂、早川佳江
製作:今村プロダクション、日本映画新社、ATG
提供:国際交流基金

日本におけるフェイク・ドキュメンタリーの嚆矢とも言える今村昌平の衝撃作。失踪した婚約者を探す女に俳優・露口茂と撮影班が密着。追跡を重ねるうち、やがて暴き出される赤裸々な人間模様。事実と虚妄の狭間で記録映画の構造を見事に解体し、映画における「真実」とは何かを問う。



山形国際ドキュメンタリー映画祭×日本映画大学×山形大学共催

公開講座 フェイク・ドキュメンタリーの可能性 ― フィクションの真/ドキュメンタリーの理

本講座では、フェイク・ドキュメンタリーという手法に焦点を当て、フィクションとドキュメンタリー、それぞれのトップランナーたちによる熱い議論を通して、不確定的な虚実の境界から見える映画表現の新たなアプローチとその可能性を探求する。“ドキュメンタリー”のイメージ、映画の“本当らしさ”は物語性の強化にどう作用するのか。映画の両輪たるドキュメンタリーとフィクション、双方が描く“真実”とは !?

登壇者: 
森達也(映画監督)、天願大介(映画監督、日本映画大学教授)、村上賢司(映画監督)、松江哲明(映画監督)、白石晃士(映画監督)、替山茂樹(プロデューサー)
司会:大久保清朗(山形大学人文学部准教授)

- 参考上映 森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」

Mori Tatsuya Presents "Truth or Lies"

日本/2006/日本語/カラー/Blu-ray/45分

企画、監修:森達也
ディレクター:村上賢司
編集:松江哲明
脚本:向井康介
プロデューサー:替山茂樹
製作著作、提供:テレビ東京

同名著書を森達也自身が番組化――という触込みのもと、レポーター吉田恵子とともに著名なドキュメンタリー作家たちにインタビューを敢行。村上賢司がそのメイキングを担当することになるのだが……。あらゆる仕掛けでドキュメンタリー的手法を暴き出す抱腹絶倒の野心作。



戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02【暗黒奇譚! 蛇女の怪】

Chô Kowasugi!--Shivering Files of the Supernatural Phenomenon FILE-02 Super Horror Story of a Snake Woman

日本/2015/日本語/カラー/Blu-ray/92分

監督、脚本、撮影:白石晃士
出演:大迫茂生、久保山智夏、白石晃士、水澤紳吾
製作総指揮:原啓二郎
プロデューサー: 三上真弘、田坂公章
製作会社:ビデオプランニング
製作協力:日本出版販売
配給:「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」上映委員会
提供:ニューセレクト

フェイク・ドキュメンタリーの概念を打ち破る作風が話題となった『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』新シリーズの最新作。さえないフリーター男の櫻井は、山中で川野つぐ巳という少女と遭遇する。つぐ巳に惹かれていく櫻井であったが、彼女の家には恐ろしい秘密があった。その謎を解き明かすべく、「超コワすぎ!」ディレクターの工藤、AD市川、カメラマン田代の3人は、蛇女の言い伝えが残る土地へと足を踏み入れる……。シリーズ最高傑作との呼び声も高い本作が、満を持して山形上陸!