2004-10-01 | | | 金曜上映会のお知らせ〈10月−12月〉 |
山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー試写室を会場に毎月2回(第2、第4金曜日)上映会を開催しています。ライブラリー収蔵作品を含むドキュメンタリー映画や、戦前の無声映画、映画史に残る名作、自主製作作品や、実験映画、アニメーションなど、普段映画館やテレビ・ビデオなどでなかなか見る機会が少ない作品を中心に上映しています。会費1,000円で月2回の上映会を半年間お楽しみ頂けます。是非ご利用ください。
山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー金曜上映会
-
●10月8日[金]…〈映画祭2003アンコール 12〉
14:00、18:30(2回上映) - 『あなたはどこ?』監督:R・V・ラマニ/インド/2003/153分
■かつて南インド一帯で影絵芝居を上演していた人たちを訪ね歩くと、影絵は細々と続けられ、歌はまだ生きていた。昔と連なる今を生きる影絵師たちのそれぞれを自由なカメラが映し出す。映画祭2003のアジア千波万波で上映されたインドの長編ドキュメンタリー。
●10月22日[金]…〈歌は世に連れ その2/歌謡映画の世界〉
14:00、18:30(各2回上映)- 『羽田発7時50分』監督:舛田利雄/出演:フランク永井、岡田真澄、白木マリ、二谷英明/1959/60分
『君たちがいて僕がいた』監督:鷹森立一/出演:舟木一夫、本間千代子、千葉真一、堺正章、高峰三枝子/1964/90分
■昭和30年代は歌謡曲と映画の蜜月時代であり、古くは美空ひばり、江利チエミ、雪村いづみの三人娘から、橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦の御三家まで、人気歌手主演の映画が数多く製作された。今回は舟木一夫の大ヒット歌謡曲をベースにした監督鷹森立一(本作がデビュー作)の軽やかな青春映画の佳作に、“魅惑の低音”フランク永井のヒット曲を監督舛田利雄(日活アクションに数多い名作を残す)が映画化した中編珍品を同時上映。歌謡映画のかもし出す摩訶不思議な魅力に迫る。
金曜上映会・秋の特別上映 アメリカという国――ワイズマン・ドキュメント |
---|
現代アメリカの諸相を様々な切り口で描写し続けるフレデリック・ワイズマン監督。山形映画祭では、1999年に「フレデリック・ワイズマン映画祭」と題して計13作品を上映し好評を得ましたが、今回はなみおか映画祭(青森)の提供による山形未公開6作品を連続上映いたします。米軍、牛肉、動物実験、そして福祉の現場……。私たちが知っている「アメリカ」とは異なったもうひとつの「アメリカ」が見えてくるかもしれません。この機会に是非ご覧ください。
●11月12日[金]…〈アメリカという国――ワイズマン・ドキュメント その1〉
14:00、19:00(2回上映)- 『シナイ半島監視団』アメリカ/1978/モノクロ/127分
■エジプトとイスラエルの間のシナイ緩衝地帯で、監視の任務を遂行する米軍の小隊。自転車で見回るほかにたいしてすることもない彼らは、ときにこの地を「西部」に、自らを西部劇のヒーローになぞらえて無為をやり過ごす。「アメリカらしさ」が奇妙に凝縮したこの「アメリカの外のアメリカ」を、ワイズマンは広大な砂漠のごく小さな一点としてキャメラに収めている。
- 16:30(1回のみ上映)
- 『視覚障害』アメリカ/1986/カラー/132分
■タラテガのアラバマ聾盲学校(AIDB)に取材した「聾盲シリーズ」は、「視覚障害」「聴覚障害」「適応と仕事」「多重障害」の順に約9時間の長編としても成立する4部作として仕上げられた。第一部となる本作では、校舎内を巡る少年、少女の足取りをほとんど無編集で追った長く印象的な場面をはじめとして、読み書きから刺繍、ピアノ、料理、計算、体操、ダンスなどを懸命に学ぶ、視力を持たない子供たちの日常がとらえられている。
●11月26日[金]…〈アメリカという国――ワイズマン・ドキュメント その2〉
14:00、19:00(2回上映)- 『肉』アメリカ/1976/モノクロ/113分
■野の草を食む「牛」はいかにして「肉」となるか。各工程は徹底的に細分化され、流れ作業が整然と進行する。牛が牧場の外へと連れ出されてから真空パックの肉となって精肉工場から運び出されるまで、一分の狂いもなく流れてゆくこと自体がなぜこんなにも美しいのか。『メイン州ベルファスト』(山形映画祭'99 上映)のポテトやイワシを先取りして全面展開する大迫力の傑作である。
- 16:30(1回のみ上映)
- 『適応と仕事』アメリカ/1986/カラー/120分
■「聾盲シリーズ」前半の2作が障害の克服に取り組む子供たちの果敢な努力を描いていたのに対し、本作は成人した彼らが社会の一員として自立するにあたって直面する、さらに高いハードルに焦点を当てている。長く苦しい訓練を経て製品の組み立てや縫製といった技術を身に付けても、やりがいのある仕事に就けないと切実な焦りや絶望を示す者がある一方で、「適応」を終えた人々が仕事に打ち込む作業場は圧倒的な活気に満ちている。
●12月10日[金]…〈アメリカという国――ワイズマン・ドキュメント その3〉
14:00、19:00(2回上映)- 『霊長類』アメリカ/1974/モノクロ/105分
■手の届かないところに吊るされた餌を取ろうともがく子猿。電気刺激を与えられるたび機械的にメス猿に挑みかかるオス猿。「実験」の意味はほとんど説明されないまま、猿たちは次々に台の上へ載せられてゆく。苦しむ猿のクロースアップを多用するなど、ワイズマン作品としては異例なほど取材対象(霊長類研究所)への批判を鋭く打ち出した、エモーショナルな作品である。
- 16:30(1回のみ上映)
- 『多重障害』アメリカ/1986/カラー/126分
■アラバマのヘレン・ケラー学校では、視覚障害および聴覚障害者に対してトレーニングがされている。時計の読み方を根気よく教える教師。どうすればその児がステップアップ出来るのか真剣にカンファレンスをする教師たち。台詞がないこと、言語的コミュニケーションがないことで我々はいつしかその児と懸命にコミュニケーションをしようとしている自分に気付くのだ。
監督フレデリック・ワイズマンは1930年ボストン生まれ。法律を学び、イエール大学卒業後、弁護士となる。1967年精神病院刑務所の見学が契機となって完成した『チチカット・フォーリーズ』で監督デビュー。以来、ほぼ年に1本のペースで作品を発表。テーマは一貫してアメリカの施設や日常生活で、学校、病院、警察、軍隊、劇団などあらゆるジャンルに及ぶ。山形映画祭には1993年(『動物園』が最優秀賞)と1997年(『コメディ・フランセーズ ― 演じられた愛』が特別賞)に参加。2001年には『DV ― ドメスティック・バイオレンス』、2003年には『DV2』が上映された。 |
12月下旬以降の予定 ※変更もあります。
- ●12月17日[金]…〈幻の映画よみがえる〉
●1月14日[金]…〈新春ちゃんばら大会/錦之助+橋蔵〉
●1月28日[金]…〈小川紳介の映画〉
●2月18日[金]…〈F・フェリーニ特集(予定)〉※2月11日は祝日につき変更
●2月25日[金]…〈映画祭2003アンコール 13〉- 『ウイ・ノン』監督:ジョン・ジョスト/アメリカ、フランス、イタリア/2002/115分
●3月11日[金](作品未定)- ●3月25日[金](作品未定)
※上映作品が急に変更の場合があります。遠方の方はご来場前に番組をご確認ください。
※金曜上映会についてはこちらをご覧ください。
[会場] 山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー試写室
会場地図
[料金] 会員入場無料(友の会会員
半年1000円 当日すぐ入会できます)
[主催] 山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会
[問い合わせ] phone: 023-666-4480(映画祭山形事務局)