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ヤマガタ・ニューズリール!

女たちのニューズリール


 マイノリティの問題のみならず女性問題をも当初より意識していたグループであったが、1971年になってニューズリールにとっては画期的、かつ歴史的な作品が生まれた。サンフランシスコ・ニューズリールで制作された『ウーマンズ・フィルム』は被写体及びそれに関わるクルーたちも全て女性で編成された。それとほぼ同時期に以前よりくすぶっていたニューヨーク本部での内部における対立と矛盾が一挙に噴出し、多くの白人男性メンバーが去ることになる。ロバート・クレイマーもこの時期にニューズリールから離れている。ニューヨーク・ニューズリールは自らの変革を促され、再出発を要求される。新生サード・ワールド・ニューズリールで最初に大きな評判を呼んだのはクリスティン・チョイ監督による『フロム・スパイクス・トゥ・スピンドゥルズ』だった。


逃げられないぞ ミズ・アメリカ

Up against the Wall, Ms. America

8分/モノクロ/1968/提供:サード・ワールド・ニューズリール

「ミス・アメリカがやって来た……。」1968年、ミス・アメリカのページェントでデモ参加者たちは1匹の羊を真の勝者として紹介した。この愉快な短編は、ミス・アメリカが真に代表しているものへ意識を向けるために女性解放の活動家がゲリラシアターを活用する様子を示す。進行形の初期女性運動の記録として興味深い。



- ウーマンズ・フィルム

The Woman's Film

40分/モノクロ/1971/提供:サード・ワールド・ニューズリール

女性たちによって集団制作された、このドキュメンタリーはアメリカにおける近代的な女性運動の胎動を写した歴史的に価値のある記録である。新たに復元されたこの映画は人種、教育水準、階級の異なるごく平凡な女性たちの生活に入り込んでゆく。主に写されるのは、女性運動を育てた小規模の意識向上グループであり、主婦、家事手伝い、そして労働者として日々生きることの現実を語る女性たちである。女性たちは、時に躊躇しつつ、時には情熱をもって自らが体験する女性への抑圧について語る。



フロム・スパイクス・トゥ・スピンドゥルズ

From Spikes to Spindles

- 50分/カラー/1976/提供:サード・ワールド・ニューズリール

ニューヨーク・チャイナタウンの大胆な活写が、共同体への自覚が現われ始める段階を捉える。警察の暴力と敵意ある不動産開発業者に抵抗するために老若男女が団結する生き生きとした共同体、チャイナタウンが見事に描かれている。共同体とその歴史のあらまし――かつて大陸横断鉄道に釘(スパイク)を打ち込んだ労働者から今日の衣料産業(ミシンの糸巻き=スピンドゥル)労働者に至るまで――を力強いタッチで描き出す。



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