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未来への映画便


109日−10

 映画を見ることは、自分を超えた存在と出会い、驚き、他者に思いを馳せる体験に他なりません。新型コロナウィルスの感染拡大は、人々の間に交流の「不自由さ」を顕在化し、「分断」を生み出しました。私たちから互いに「話す」という行為が奪われたいまだからこそ、映画を通してその言葉や声に耳を澄まし、スクリーンに映し出される存在と向き合ってほしい――YIDFFでは、2020年9月より、「10代のための映画便」と題して、高校生や大学生を対象にして過去の受賞作品を配信し、映画を鑑賞した人々から届けられた意見を紹介してきました。今回の映画祭では、他者に耳を傾けることそのものにフォーカスした3本の作品を紹介し、高校生・大学生を対象とした鑑賞ワークショップを行うと同時に、映画教育に関するシンポジウムを行います。映画からの声、それに対する応答が、いつかどこかで、誰かに届くことを願って。

  • 下記フォームより事前に申し込みをした高校生・大学生は本プログラム上映作品を無料で視聴できます(一般の方は他のプログラム同様、チケットをご購入のうえご視聴いただけます)。映画鑑賞ワークショップは高校生・大学生が対象、シンポジウムはどなたでも参加できます(いずれも要申込み)
  • 作品視聴・ワークショップ参加申し込みフォーム
    ※映画祭事務局より後日メールにて、作品視聴用に発行されたプロモーションコード(無料チケット)が届きます。チケット数には限りがありますので、お早めに申し込みください。


若き孤独
Young Solitude
フランス/2018/100分
監督:クレール・シモン Claire Simon

パリ郊外の高校に通う10代の若者が、二人組、三人組といったさまざまな組み合わせでそれぞれの家庭環境や両親との関係、初恋、将来の夢を語り合っていく。孤独であること、そしてその状況を誰かと共有できること。不安や憧れ、悲しみや情熱といった感情が、カメラを通して引き出されていく。

10日11:30



語る建築家
Talking Architect
韓国/2011/95分
監督:チョン・ジェウン Jeong Jae-eun

建築家のチョン・ギヨンは、大腸がんと告知された後でさえ、イルミン美術館の建築に関する展示や後進を指導するなど、多忙な日々を送る。建築の公共的価値と倫理がその主な関心事であり、建築家は誰のために働くべきか、建築は社会の中でどのような道具であるべきかを身をもって示す。仕事や人々との対話を止めることないが、残された時間は少ない。

9日15:00



言語の向こうにあるもの
Beyond the Language
フランス、日本/2019/97分
監督:ニシノマドカ Nishino Madoka

アジア千波万波のページを参照

10日17:30 | 12日16:00


 


オンライン映画鑑賞ワークショップ
「どのようにして、人は他人に気持ちを伝えることができるのか?」

 フランスの高校2年生が直面する不安や悩みを映し出すドキュメンタリー映画『若き孤独』(監督:クレール・シモン)を鑑賞し、監督の視点、演出の手法について話をしながら、映画への理解を深めます。映画のなかに、何が見えて、何が聞こえるでしょうか。そして、私たちはどのように感じるのでしょうか? 他人に自分の気持ちを伝えるための手がかりが、クレール・シモンの映画にはあるはずです。このワークショップでは、様々な人が集まり映画を見た経験を話すことによって、これまでとは異なる映画の楽しみ方を発見していきたいと思います。けっして難しいワークショップではありません。普段から映画をたくさん見ている人も、ほとんど映画を見る習慣のない人も、まずは映画を観て、感じたことを具体的に言葉にしてみることからスタートしましょう。

[日時]1010日[日]13:30−15:10(100分)
[定員]20名程度
[対象]主に高校生、大学生 ※中学生で参加を希望する方はあらかじめご連絡ください。
[参加方法]Zoom
[申し込み]フォームを送信してください 申し込みフォーム
[申し込み締め切り]10月3日[日]18:00
[ファシリテーター]土肥悦子(こども映画教室(R))、土田環(「未来への映画便」プログラム・コーディネーター)
[問い合わせ]e-mail: eigabin@yidff.jp

※参加を希望する方は、必ず『若き孤独』を鑑賞した上でワークショップに参加をしてください。

 


シンポジウム
「映画祭と鑑賞教育プログラム」

リュサス国際ドキュメンタリー映画祭協力プログラム
協力:アンスティチュ・フランセ日本

 日本国内では、小学生を対象とした映画制作のワークショップやアニメーション映画の上映会が徐々に増えてきていますが、高校生や大学生に映画を見て考えてもらう試みはあまり多くありません。本シンポジウムでは、海外の事例を紹介しながら、その課題や工夫についてオンラインで議論します。

[日時]1010日[日]20:00 ※オンライン配信
[パネリスト]
クリストフ・ポスティック(リュサス国際ドキュメンタリー映画祭共同アーティスティック・ディレクター、フランス)
アーチャイル・ヘタグリ(トビリシ国際ドキュメンタリー映画祭ディレクター、ジョージア)
イレアナ・スタンクレスク(トビリシ国際ドキュメンタリー映画祭コーディネーター、ジョージア)
諏訪敦彦(映画監督、日本)
[モデレーター]土田環(「未来への映画便」プログラム・コーディネーター)
[使用言語]英語、日本語、フランス語 ※日英同時通訳、日仏逐次通訳付
[視聴方法]Zoom Webiner ※どなたでもご覧になることができます。
[申し込み]フォームを送信してください 申し込みフォーム