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2002-11-01 | 金曜上映会のお知らせ〈11月-12月〉

毎月第2・第4金曜日に山形ビッグウイング3F「山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー」の試写室で上映会を開催しています。11月-12月の予定は下記のとおりです。

山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー金曜上映会

118日[金] …〈ドナルド・リチー映画回顧展 Part 2〉
 14:00, 19:00(各2回上映)
ふたり監督:ドナルド・リチー/1963/60分
のぞき物語監督:ドナルド・リチー/1967/20分
 参考上映(16:30より1回のみ上映)初期短編集 1953-59年制作
欧米への日本映画の紹介者として知られ『小津安二郎の美学』『黒澤明の世界』など多くの日本映画の研究書も著したドナルド・リチーは同時に日本の個人映画、実験映画の草分け的存在でもあった。特に1960年代に発表された数多くの作品は、当時の若い日本の映画作家に多大な影響を与えた。彼のほとんど全作品を上映する特集の第2弾は、男女の〈意識の流れ〉をスタイリッシュに描いた『ふたり』と、公園の覗き屋たちをドキュメンタルに描いた『のぞき物語』の2本と、1950年代の初期短編を上映。

1122日[金] …〈忘れ去られた映画史・序章〉
 14:00, 18:30(各2回上映)
暴行少女日記監督:向井寛/主演:一星ケミ/1968/85分
濡れた紅薔薇監督:向井寛/主演:芹河美奈、武藤周作/1972/60分
日本の映画人口のピークは1950年代後半に頂点を極めるが、60年代に入るとテレビの普及等の影響もあり急落を始める。1962年、その間隙をぬって登場した独立系成人映画(後にピンク映画と呼ばれる)は良識ある人々の非難を受けつつも観客を集め、現在の日本映画の最前線を担う数多くの才能ある監督を輩出する場となった。しかしそれらの才能を育んだ土壌とは何だったのか。今ではフィルムさえ現存しない60〜70年代の作品を発掘上映、現在の視点で〈忘れ去られた映画史〉を検証する。今回はパイオニア向井寛監督の作品を上映。作品の変更・追加もあり。


◆◆◆12月はライナー・ヴェルナー・ファスビンダー没後20周年記念
ベルリン・アレクサンダー広場』日本最終上映
監督・脚本:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー/原作:アルフレート・デーブリン
撮影:クサーヴァー・ジュヴァルツェンヴェルガー/音楽:ぺーア・ラーベン
主演:ギュンター・ランプレヒト(フランツ)、ハンナ・シグラ(エバ)、エリザベト・トリッセナー(リナ)、バーバラ・スコヴァ(ミーツェ)
1980/カラー/撮影16mm(ビデオ版上映)/14時間56分(全14話構成のテレビ映画)

1920年代末ドイツのベルリン。社会は不安定を極め、犯罪が横行し、ナチスと共産主義者の対立も激しさを増していた。そんな激動の時代を一人の“普通”の男フランツ・ビーバーコップがたどる受難に満ちた物語。37歳で亡くなった天才映画作家ファスビンダーの約15時間に及ぶ大作を2回に分けて一挙上映。

※全話見る時間がない方も多いかと思いますが、数話だけでも是非ご覧ください。

1213日[金] …〈第1話 - 第7話〉
 12:30 第1話[プロローグ]処罰が始まる82分
フランツは恋人イーダ殺害の罪でテーゲル刑務所に服役していた。出所した彼は大都市ベルリンの中で行き場を失う…。
 14:10 第2話「死にたくなければどう生きるべきか59分
生活のためフランツは、ネクタイ留めやポルノ雑誌の街頭販売を始めるがうまくいかない。深い考えもなくナチスの党新聞販売に手を染めるが…。
 15:20 第3話「脳天の一撃は心も傷つける59分
訪問販売を始めたフランツ。とある玄関先に立った彼を見て、住人の女性は動揺した。フランツは彼女の死んだ夫にそっくりだった…。
 16:30 第4話「静寂の奥底にいる一握りの人間たち59分
フランツは友人の家に間借り生活し、日々酒に溺れている。フランツは自身の窮状を聖書のヨブになぞらえる…。
 18:10 第5話「神の力を持った刈り手59分
フランツはイカサマ商売の元締めブムスと知り合うが、仲間に加わることは拒む。だがその一味のラインホルトに出会い、うち解けるようになり…。
 19:15 第6話「愛、それはいつも高くつく58分
フランツはラインホルトの女グセの悪さを直そうとするが、彼は聞き入れない。彼の口車にのってフランツはある仕事に出かける。
 20:20 第7話「覚えておけ――誓いは切断可能58分
元恋人エバの家に厄介になっているフランツ。体も衰弱し再び酒浸りになり、ある酒場でエミーという女に出会う。

1220日[金] …〈第8話 - 第14話〉
 12:30 第8話「太陽は肌を暖めるが、ときに火傷を負わす58分
自宅に戻ったフランツは、まっとうに生きるという誓いを捨て、シニカルな人間になっていた。ある日ヤクザな若者ビリーが訪ねてきて…。
 13:30 第9話「多数者と少数者の間の永遠の隔たり58分
フランツは恋人ミーツェに養われるヒモの生活を始める。彼は久しぶりにラインホルトを訪ねる。
 14:40 第10話「孤独は壁にも狂気の裂け目を入れる59分
不妊のミーツェのため、エバがフランツと子供を作るという密約が結ばれる。フランツは仕事もせずいよいよ酒に溺れていく。
 15:40 第11話「知は力 早起きは三文の得59分
フランツはラインホルトを訪ねまた一緒に仕事を始める。ラインホルトに自分とミーツェの仲を見せつけようとするが……。
 17:20 第12話「蛇の心の中にいる蛇59分
ラインホルトはミーツェをある森に連れ出す。その森は以前、フランツとミーツェが仲直りをした場所だった。
 18:20 第13話「外面と内面、そして秘密に対する不安の秘密58分
ミーツェが戻らない事に、フランツとエバは不安は抱く。ある日イカサマ商売をしていたフランツは、仲間のヘマで失敗してしまう。
 19:30 第14話[エピローグ]子供の死、そして有益な男の誕生
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー:フランツ・ビーバーコップの夢についての私の夢111分
このエピローグが示すのは、二人の破滅した男の関係をめぐるグロテスクなイメージのパノラマである。

※上映作品が急に変更の場合があります。遠方の方はご来場前に番組をご確認下さい。
金曜上映会についてはこちらをご覧ください。

[会場] 山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー試写室 →会場地図
[料金] 会員入場無料(友の会会員 半年1000円 当日すぐ入会できます
[主催] 山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会
[お問い合わせ] phone: 023-666-4480(映画祭事務局)