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映画に(反)対して
ギー・ドゥボール特集
  • サドのための絶叫
  • かなり短い時間単位内での何人かの人物の通過について
  • 分離の批判
  • スペクタクルの社会
  • 映画『スペクタクルの社会』に関してこれまでになされた毀誉褒貶相半ばする全評価に対する反駁
  • われわれは夜に彷徨い歩こう、そしてすべてが火で焼き尽くされんことを
  • [1959]

    かなり短い時間単位内での何人かの人物の通過について

    On the Passage of a Few Persons Through a Rather Brief Unity of Time
    Sur le passage de quelques personnes à travers une assez courte unité de temps

    - フランス/1959/フランス語ほか/モノクロ/35mm(1:1.37)/18分

    監督、脚本:ギー・ドゥボール
    撮影:アンドレ・ムリュガルスキー
    編集:シャンタル・ドゥラットル
    記録:ミシェル・ヴァロン
    製作会社:デンマーク=フランス実験映画カンパニー
    音楽:ヘンデル(バレエ組曲「デッサンの起源」)、ミシェル=リシャール・ドゥラランド(「カプリッチオ第2番」)
    声:ジャン・アルノワ、ギー・ドゥボール、クロード・ブラバン
    海外配給:ラブストリームス・アニエスべー・プロダクション
    提供:カルロッタ・フィルム

    タイトルが示唆するように、レトリスト・インターナショナル(LI)からシチュアシオニスト・インターナショナル(SI)へ活動の拠点が移行するうえで、SIの運動のさまざまな起源を示した作品。哲学やSF小説のテキストなどが無機質な声によって朗読され、パリの街並みやカフェで議論する若者(ドゥボール、ベルンシュタイン、ヨルンらSIの仲間)の姿が効果的に挿入される。都市の日常生活のなかで人々が政治的な意識に目覚め、運動へと参加していく流れそのものをフィルムに刻印するという意味において、ドゥボールの「心理地理学」の映画的実践とも言うことができる。また、既存の映像や文章を意識的に引用し、その位相をずらす「転用」の試みは、この作品においてさらに組織化される。アスガー・ヨルンが製作に参加。冒頭のクレジット・タイトル部分では、SI第3回大会での討論の録音が用いられている。