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    Agrarian Utopia

    - タイ/2009/タイ語/カラー/ビデオ/122分

    監督、撮影、編集:ウルポン・ラクササド
    助監督:クリアンサック・ウィタヤー・アニワット
    編集助手:ニティワット・チョンワニットシリ
    音響設計:アクリットチャルーム・カラヤナミット
    製作デスク:ナリサラー・サシサングアンサット
    製作:ピンパカ・トゥイラ
    製作補:マイ・メークスワン
    製作会社、配給:エクストラ・ヴァージン www.extravirginco.com

    タイ北部チェンライの農村。借金から自分の土地を手放すことになり、小作農民として人の田畑を耕すことになったふたつの家族。それでも子どもたちは泥遊びに興じ、田んぼで捕った蛇や蛙が食膳に並び、キノコ作りで現金収入を夢見ながら、大地と風土との調和の中で生活を送っていた。隣人は都会の暮らしに絶望し、徹底した有機農業を展開するヒッピー。そんな中、地主から土地を売るとの話が急に持ち上がり、家族は都会への出稼ぎを強いられバラバラに……。政治家の選挙運動を挿みながら、ささやかな小規模農業が立ち行かなくなっていく現実を描く。監督は生まれ育った土地の原風景にあった農業とその暮らし方の「幸福論」を求め、田畑を1年間借り受けて主人公たちを住まわせ撮影したという。



    - 【監督のことば】 この映画を作るために費やした時間は、私にとって非常に楽しく幸福な体験となりました。まるまる1年間も、世界で起こっていることの全てから離れられ、子ども時代と同じように自然と共に暮らせました。この世界はある意味で、良い場所なのだと気づかせてもらえました。

     正直なところ、世界はその独特なありようにおいて常に美しくはあったのです。私たちは、日々を送るのに夢中でそのことをついつい忘れてしまうのでしょう。ですが自分たちにとって何が一番いいのか、私たちは皆きちんと知るべきでしょう。


    - ウルポン・ラクササド

    1977年、タイ北部チェンライから60キロ離れた農村で生まれる。18歳で初めてバンコクに上京し、タマサート大学では映画と写真を専攻し2000年に卒業。YIDFF 2001で上映された短編『時の行進』(2000)は卒業制作作品。大学卒業後はテレビ制作会社で働くが、視聴率しか求めないシステムに幻滅し、友人の自主映画の編集や手伝いをしながら、自らも故郷を舞台にした映画作りに戻る。監督作品は『The Way』(2005)、『The Longest Day』(2005)、『The Harvest』(2005)、『The Rocket』(2007)、『The Planet』(2007)。『Stories from the North』(2005)はロッテルダム、香港、トリノ、バンクーバーなど世界の映画祭に招待され数多く受賞。本作は2009年のロッテルダム映画祭でプレミア上映され、NETPAC特別賞を受賞。