2017-11-10 | | | 山形国際ドキュメンタリー映画祭2017 閉幕 |
山形国際ドキュメンタリー映画祭2017が閉幕して、間もなくひと月が経ちます。多様性に彩られた数々の作品、ご来形いただいた多くのゲスト、観客のみなさん、そこで繰り広げられた深く、思索に満ちた対話。熱を帯びて過ぎ去った怒涛の8日間を思うと、すっかり日常が戻ってきてしまった今、少なからずの寂しさを感じずにはいられません。国内外からご参加いただいた観客のみなさま、監督・審査員他のゲストのみなさま、当映画祭に関わり、様々にご協力いただきましたみなさま、そして映画祭運営の根幹を支えてくださったボランティアのみなさま、本当にありがとうございました。今年も、大切な映画や人との出会いが生まれたかけがえのないひとときであったと、早秋の山形を思い出していただけたら大変嬉しい限りです。
今回は161作品の上映と、107回にもおよぶ質疑応答やトーク、ディスカッションなどの対話を通じ、のべ22,089人のみなさまに山形映画祭をお楽しみいただきました。巨匠と若手が入り混じるインターナショナル・コンペティション、作品世界の豊かさと貪欲に新しい表現に挑戦していく姿勢が魅力的だったアジア千波万波はもちろん、“ここでしか観られない”貴重な作品が並んだ「アフリカを/から観る」「共振する身体 ― フレディ・M・ムーラー特集」、急病のため来形が叶わなかったジョスリーン・サアブ監督が、急遽スカイプ中継に応じてくださり、会場を湧かせた「政治と映画:パレスティナ・レバノン70s−80s」、自由で活発な意見が交わされた「ヤマガタ・ラフカット!」のほか、回を重ねるごとにその思索の深度が増してゆく「ともにある Cinema with Us」「やまがたと映画」などの継続プログラムも充実し、「どれも気になってしまって、何を観たらいいか迷ってしまう!」という声をたくさんいただきました。また今回は、観客、ボランティアのみなさんに10代20代の若い方々の参加がとても目立ちました。はじめて足を運んでいただいた方々を含め、この映画祭をさらに充実したものに育てていただけるよう、継続的に関わっていただけたらと期待しています。
次回は2019年の開催です。ユネスコによる山形市の国際創造都市ネットワーク映画部門での加盟認定を追い風にして、より先鋭的な映画表現を探索しつつ、かつ親しみ深いアットホームな映画祭であり続けられるよう、今後も様々な試みを行ってまいります。2年後、清々しい青空が広がる10月の山形にて、みなさまにお会いできることを楽しみにしております。
2017-11-10 | | | 山形市、ユネスコ創造都市ネットワークに加盟認定 |
山形市がユネスコ創造都市ネットワーク映画部門に加盟認定されました!
先般の報道にもありました通り、この度山形市は、ユネスコ創造都市ネットワーク映画部門で加盟認定を受けることができました。山形市はこの認定を目指し、2013年頃より準備を始め、当映画祭だけでなくさまざまな分野で市民の方々と恊働し、映像文化都市としての活動を盛り上げてきました。この度晴れて正式認定となり、我々映画祭の事務局員も安堵し、またこの新たな認定都市の中核的な活動を担う団体として、今後に向け身の引き締まる思いを感じています。
今回の創造都市認定では、山形市による映像文化を通した地域コミュニティ活性化の取り組みが評価されましたが、とりわけ、1989年から続く当映画祭の歩み、理念、プログラムの独自性、そして映画祭のさまざまな面での市民の積極的かつ継続的な参加が、大きなアドバンテージとなりました。今回の加盟はこのような貴重な映画祭を作り上げ、支えてくださった皆様方お一人お一人のお力添えの賜物です。心より感謝申し上げます。
ユネスコの提唱する「創造都市」とは、市民による文化・芸術などの創造活動を核として継続的に発展していく都市のあり方を意味し、また「創造都市ネットワーク」とはそのプロセスを創造都市間で互いに支援し合う国際パートナーシップです。認定そのものがゴールではなく、山形という町が今後、映画という文化・芸術を中心に再生・発展していく、そのスタート地点にすぎません。未来を見据えた持続的な活動が求められていく中で、山形国際ドキュメンタリー映画祭が、今後も引き続き、世界各国のすぐれた映像作品を紹介し、多文化共生を体現する一つの揺るぎない場として継続していけますよう、スタッフ一同努力してまいりたいと存じます。引き続き、皆様の変わらぬご支援を賜りたく、お願い申し上げます。