2011-05-02 | | | アジア千波万波部門5月31日まで受付中! |
アジア千波万波締切:2011年5月31日(消印有効)
地震等により物流に影響が生じておりますが、締切の変更はございません。
詳しくはこちら YIDFF 2011:作品募集[応募受付終了]
※インターナショナル・コンペティションの受付は終了しました。
2011-05-02 | | | 3月11日以降のヤマガタ |
映画祭の仕事の核は、映画の場を作り成立させること、多様な映画をより多くの方々と共有することです。
3月11日の大地震発生と原発事故から、間もなく2ヶ月。
東北を遠ざけよう、東北から遠ざかろうという動きが見える一方で、こんなときだからこそ、東北へ意識を向け積極的に行動を起こそうとする逆のベクトルを持つ人たちが確実にいることを、私たちは知っています。
そして、私たちが関わる映画の世界にも。
震災直後から、多くの被災者の方々が山形県内各地の避難所に身を寄せておられます。二次避難や一時帰宅など状況の変化はあるものの、未だに不自由な生活が続いているといえます。私たちは山形県映画センターと共に、現場毎に異なる状況や要望に合わせ、4月初旬から、県内避難所での映画上映を行ってきました。被災者の方々と映画を共有できること、普通に映画を楽しんでいただいているという実感は、私たちにとっても、リアルな喜びとなっています。こうした動きに合わせ、各配給会社からの提供で、親子で楽しめる映画や往年の日本映画の名作など、興行という枠を超えて上映できる作品の幅も徐々に広がりつつあります。
私たちは、5月からは、県内上映のほかに、被災地に出向いての上映も進めてゆきます。厳しい状況、そして復興の動きの過程で映画が求められるその時はいつなのか、被災地石巻へも出向き、人との繋がりの中で、ある手応えを得たのは最近のことです。映画は共有するものであり、一方的に押しつけるものではありません。今後も被災地の方々や現場のボランティアの方々との関係を作りながら、映画を楽しむ場をひとつひとつ成り立たせていくつもりです。
この間、海外の映画関係者から励ましのメールをいただいたり、日本映画を支える方々から、被災地での上映・映像での記録・映画祭での発信など、今回の震災に関して、力を結集した形での取組の提案をいただきました。映画に関わる人間として、ともに手を携えて出来ることを確実に実行していきたいと思います。困難なときこそ、多様な人たちと映画を共有するという感覚を大事にしながら。
私たちは、いまだ事態の収束が見えない原発の不安と、多くの人々の復興に向かうエネルギーとが渦巻くこの東北という地で、今年10月、山形国際ドキュメンタリー映画祭を開催します。
今回の映画祭開催をより多くの方々と共有したいと、私たちは、これまで準備してきた企画内容にさらに磨きをかけ、大詰めの準備に邁進してゆきたいと思います。
(山形事務局長 高橋卓也)